103.心のタガを外す機械について

 心のタガはどういう時に外れるのか?

 そのことを日々考えてやまないわたしだが、先日素晴らしい事例を見かけた。

 訪れたのは名古屋に存在するレゴランド

 その海賊の海岸に、それはあった。

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 このゲートを潜ると無法者の棲家である。心して進まれよ。

 そこにあるアトラクションは、レゴの海賊のアジトシリーズをモチーフとしたものである。わたしは少年の頃レゴのCMに憧れたものだった。『南海の勇者』シリーズのCMを覚えている方もおられるのではないか。

 

アトラクションの内容としてはこのような船に乗る、ライドアトラクションとなる。

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やや変わったギミックはこちらの写真f:id:wagahaiblog:20221203194307j:image

手回し式の水鉄砲である。勢いよく回すと、勢いよく水が出る。

 

そしてこのアトラクションの最大のポイントを示す写真はこちら。

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なんと、水鉄砲がアトラクションの周りの岸にも設置されており、まったくの見ず知らずの他人から水鉄砲を撃たれ、そして撃ち返せるのだ!

 

完全に欲望のタガが外れたこどもなどは、容赦なく船の乗員を狙う。相手の顔面に張り付くようなエイム力を見せる少年さえいた。

 

わたしなどはよそ見中に顔面に水をくらい、岸の向こうから変顔で見ず知らずのこどもに煽られるという、現代日本とは思えない体験をした。

 

他にも、この辺りの岸は歩いているだけでも、水鉄砲の射線に入ると容赦なく引き金を引くスナイパーキッズがいる。

アトラクションを横目にすり抜けるだけでも、手傷を覚悟しなければならない危険なエリアなのだ。

 

なお、知らない大人に水をかけるのにビビっちまう弱虫ヤローのため、写真のような役物も用意されている。

 

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が、こっちに水をかける時のハンドルの回転は緩い。

 何度も船に乗る猛者ともなると、役物には目もくれず、崖のスナイパーを返り討ちにしようとハンドルを急回転させる。

 この崖でタガを外させる要素は何なのか。

 こどもの笑顔? 

 嬌声? 

 「やってもいい」という暗黙の了解?

 おそらくその全てがタガを消し去る要素であり、どれが欠けても同じ結果にはならなかったろう。

 このエリアでは時間はあっという間に過ぎる。

 知らないこどもに水をかけられたり、かけたりしているうちに、わたしは水をかけないおじさんを、水をかけるおじさんに進化させる方法を編み出した。

 コース序盤でギリギリ届かない水を撃ち、撃ち返されてリアクションすることである。一度成功体験を積むと、人は無情の戦士となり、射程に入るものは全て撃ち尽くす戦争の鬼となる。

 誘い、敗れることで人のタガを外す方法を偶然見つけてしまったのだ。

 このことは決して悪用することは許されない、悪魔の知恵である。

102.ありもしなかったあの頃へ

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ドラゴンクエストアイランドに行ってきたのだ。

淡路島のニジゲンノモリにある、ドラクエをテーマにしたパークである。

 

この城の中で王様の話を聞き、

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町の中では困っている人のためにまんげつそうを手に入れ、

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武器屋で装備を整え、

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森の中では凶悪なモンスターと戦闘を繰り広げ、

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町の中を隅々まで探索してメダルを集め、

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冒険の途中で倒れたしかばねに出会い、

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おなかが空いたらルイーダの酒場で腹を満たし、

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カンダタの部屋では取り込み前の洗濯物を発見し、

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その後色々あってゾーマを倒したぞー!

 

ドラクエはゲーム中ご飯を食べる描写がほとんどないので、コラボメニューとか難しいなとかそんなつまんねー大人みたいなことも思いつつ、なんとも懐かしい気持ちになって楽しんだのでした。

 

こどもはドラクエビルダーズからドラクエを遊んでいて、ナンバリングは遊んでいないけど、ドラクエのキャラはすごい好き。

わたしのドラクエ遍歴はこちらに書いた通り45.わたしとドラクエ - くだらないものを残そうとわたしはきめたのだ。

 

こんな風に昔好きだったものの残り香ばかり喜んだり、こどもに与えたりして、それでいいのか?のような気持ちがないわけではないが、今日は楽しかったのです。

今日はそれでいいのだと思います。

 

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楽しみすぎて事前にこどもが作っていたスライムのかんむり。

ずっと被ったままパークで過ごした。

二年経って、こどもがモンスター図鑑を作ったので更新。

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今はドラクエアイランドも変わってゾーマとは戦えない。

時はどんどん流れる。

時間が経ったあとで、思い出してわざわざ図鑑を描いてるのを見ると、楽しんでくれてたんだなと嬉しい。

これはありもしなかったものじゃない。

憶えていられないかも知れないので、こうやって書いておく。

 

 

 

101. 千代田区一番一号のラビリンスの感想

千代田区一番一号のラビリンスの感想

 

 

あらすじ


映画監督の森は、天皇制と個人としての天皇の両方に興味を持ち、取材したいと思う。ちょうどフジテレビで6人のドキュメンタリー監督を集め、共通の題材で撮影する企画が立ち上がり森はそれに呼ばれる。森はその題材として憲法を提案する。担当者のチェックが甘かったため、企画は通り、憲法1条を題材に企画がスタートする。「ドキュメンタリー作家が天皇を取材してテレビで放映しようとした時、どのようなことが起こるのか、ということをそのままドキュメンタリー化する。天皇には会えても会えなくても構わない」というメタドキュメンタリー方式。


もう1人の主人公、明仁(天皇)は退位を来年に控え、気掛かりなことがあった。

皇居の中に、誰が作ったかもわからない地下通路があり、その地下が何なのかを明らかにしないまま子どもたちに皇居を受け継がせるわけにはいかないと考えていたのだ。


また、作中世界の日本ではコロナウイルス以外にも、カタシロと呼ばれる小型の人形のようなものが各地に現れる現象が起きていた。

カタシロは何もせず、近づくと消える。なんとなく不気味なものを感じて人々はカタシロを穢れとして扱っていた。

 


森は天皇とアクセスしようとし、天皇は時々お忍びで皇居の外に出ている。物語の中盤以降、森と天皇は合流し、一緒に皇居の下の通路を探索する。

 


というお話。

 


面白かった。

天皇制を巡る矛盾点、

天皇制について語る時に多くの日本人が平熱では居られない点、

日本国憲法の前文のさらに前の話、

個人としての天皇のふるまいの意図など、

天皇制や日本についての面白いテーマがどんどん出てくる。

カタシロには実態がなく、虚があるだけで周囲の歪みが見えているだけ、とか。

森が性的不能で象徴が機能しない、とか。

 


隠喩的にさまざまな解釈が可能なモチーフも散りばめられていて、深掘りした鑑賞にも耐えられるようになっている。

 


天皇制について興味がない人に天皇制について興味を持ってもらうのに、とても良い小説だと思う。

 


一方で、書こうとして書ききれなかったところがある話なのかなとも感じた。

「あなたに役割としての人生を背負わせてしまって申し訳ありません。他の人がどう振る舞うかを先読みする思考が連鎖し、あなたをただの有名な一個人として扱うことは、まだ叶いませんでした」

といったことが言いたいのかなというのがわたしの感想。

99.京都に行ってきたのだ(ウソ)

京都に行ってきたのだ。

平等院鳳凰堂

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金閣

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ちょっと足を伸ばして法隆寺

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気が向いたのでホワイトハウス

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ついでにエジプトにも。

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というわけで、鬼怒川温泉東武ワールドスクウェアに行ったのだ。

各国の世界遺産や名所などが25分の1のサイズで展示してあるミニチュア遺跡テーマパークである。

このテーマパークでは、さしづめ我々はキングコングと同じようなサイズなので、キンゴコング気分や進撃の巨人気分を味わうこともできるのだ。

 

テーマパークの歴史を見ると

開園二年で来園500万人突破

その後五年で1000万人来園

次の十三年で1500万人、とやや苦戦している様子が伺える。

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しかし、海外旅行が難しい昨今、このワールドスクウェアの秘めたポテンシャルはうなぎのぼりになっている!(とわたしは思っている。あと、すごく空いてるので、感染が気になる方でも安心)

 

他にも、25分の1サイズにすることで身体感覚として規模感がわかり、新たな発見もあるのが実際に行った感想としてある。わたしはバッキンガム宮殿とヴェルサイユ宮殿の大きさの差など、ここに来るまで私は考えたこともなかった。

また、ミニチュアを作る行為とは、対象を深く観察し解釈して再現することなのだが、その行為自体の持つ、対象への暖かい眼差しや世界への信頼感なども感じることができる。

この記事を読んで興味を持った方は是非とも訪れて欲しい。大人の方が楽しめるだろう。

 

というわけで早々にネタバラシも終わったので順番に見ていこう。

 

 

国会議事堂

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東京駅
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上野の国立博物館

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旧国立競技場

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東京タワー
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スカイツリー

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世界貿易センタービルとニューヨークの風景

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ニューヨーク地下工事中

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港町の風景
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すごいところに座る人たち
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エジプト

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コロッセオ

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コロッセオの中央アリーナは壊れていて、地下室がむき出しになっている。
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ミラノのドゥーモは装飾が変態的。

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バチカンは規模の大きさに驚かされる。

観光客の入れないエリアの大きさもやばい。

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ロシアのこの寺院は建築の影響が見える。

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オランダからはこういう街並みがチョイスされた。
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国際司法裁判所ってこんなカッコいい建物だったんだな。

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バッキンガム宮殿は中央に噴水あるので、軍集めた時とか、退場順とかのルール決めてないと入り口でごちゃごちゃしそう。
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一見すると宮廷の中庭や公園のように見えるが、何か変な写真。

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実はベルサイユ宮殿の裏手にある超巨大バルコニーの一部。規模がすごい。公園や広場だと思ったらバルコニーで、そのスケールに圧倒される。

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アンコールワット

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タージマハル
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というあたりで写真添付にも疲れてきた。

このあたりで唐突に謎のキャラクターエリアがある。

西遊記モチーフだろうか。

 

ハエ叩きを持ってキメポーズの武将。

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中央でブタが焼かれているが、それを待っているのは牛の武人。

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牛の武人は槍に魚を刺しているので魚を焼くために順番待ちしているのかもしれない。

 

 

エビの姿の武人が居て、コイツらは海の第三勢力っぽいが見た目が怖すぎるので和平の道は断たれた……
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頂点にブッダが居るが、悪役達の根城のようにも見える。どういう世界観かを推し量ることはできない。
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うーむところどころ西遊記っぽくあるのだが……

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出入り口にある地球のモニュメント

USJでもディズニーシーにも似たようなものがあるが、ここはちょっと変わったギミックがある。

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なんと時間が来ると地球が開き音楽を演奏してくれるのだ。

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中身の人形の年齢層が高めなのも印象的だ。

他社ならば、こどもの楽団のようにするのではないだろうか。

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わたしもいい歳になってきたのでこういうものを見ると、まだまだわたしにも居場所は残されていそうだと、胸を撫で下ろすような気分になる。

 

 

まだまだ紹介しきれない写真があるが、実際に訪れる人の楽しみを奪ってもいけないと思うので今回はここまで。

98.冬の帝国の作り方

 本を買いすぎてしまった。

 移動時間で読める量を遥かに凌駕する量を買ってしまったので、とにかく読みまくらないといけない。

 ところでこのブログの読者諸君はどのようなスタイルで本を読んでいるだろうか。

 

 家でのわたしの一番の読者スタイルはこれ。

 うつ伏せ寝読み。

 横文字で言うと、グラウンドスタイルである。

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 腕が疲れたら横向き寝に移行することもあるが、横向きだと紙の本はやや読みにくく、本を持つ手が疲れる。

あと、うつ伏せ寝読みは腰に悪い。

うつ伏せ寝用にねおちピローなどを買ったが、やはり腰に悪い。肩が体重を支えるので肩にも良くない(ねおちピローは肩には効果ある)

 

 

 

 

次に多いスタイルはこれ。

椅子だけではなく机も使うが、オーソドックススタイルだ。

 

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これは座っている都合上、グータラ度が低く、全身がちょっとづつ疲れる。あと、冬だと寒い。

 

この2つのスタイルを切り替えながら、わたしは本を読んでいる。

 

しかし今回、本が多いためこの二つのスタイル切り替えながら読むだけでは、疲れてしまうのではないかと考えるに至った。

そこで新しいスタイルの開拓を行ったのである。

理想としたスタイルはこれ

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あとこれ

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それを実現するにはいくつかのガジェットが必要となる。

まずこれ。

プリズムを利用して視界を90度曲げるメガネである。これをつけて真っ直ぐ前を向くと足元が見えるのだ。

 

非常に特徴的なメガネなので、装着するとIQが300くらいあるように見える。

 

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うーんIQ300。

 

あと布団。

少しだけ角度つけるためのもう一個の枕。

お腹の上に置く本を支えるクッション。

 

これらを総動員し、布団から出ずに本を読むのだ。

イメージとしてはラッコの貝割のようなポーズである。

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というわけで仰向けに寝て読書開始としたが、腕を出して本を持つ性質上、布団を胸の下くらいまでしか掛けられず、肩から上が寒いのだ。

 

かくなる上は!

このようなスナップボタン付きの膝掛けを使い、マント状に羽織る事でこの問題を解決した。

 

かくしてわたしは堅牢な冬の帝国を築き、ラッコのような姿勢でIQ300のメガネをかけ、厨二病のようなマントを羽織り、読書に勤しむのである。

 

眠くなったら、瞼を閉じるだけで眠れてしまう。

なんと画期的なことか!

なお、こちらで紹介した商品はややプリズムが小さく、視界が狭い。

 

改良版が出たとのことなので早速購入した。

使い心地に関してはこの記事にて追記するため、続報を心して待つがよいだろう!

 

97.シュタインズゲートってかっけーなー。

年末年始の休みを利用してシュタインズゲートを遊んだのだ。面白かったー。後半は先が気になって一気に遊んだ。

 


シュタインズゲートはタイムトラベルモノである。

以降タイムトラベルモノに関する複数の作品のネタバレがあるため、注意。

 

 

 


タイムトラベルモノの物語の結末には2つの型がある。

つまり

①「色々あったけどタイムトラベルで全部解決してオールハッピー」と

②「それを選ぶと犠牲があることを理解した上で、犠牲を受け入れて選択する」の2つである。/1

この後者の型だが、これは理解しないまま犠牲を払うよりも悲しみの濃度が高くなるため、その効果を狙って使われるものだ。


例えば映画「バタフライエフェクト」では、ある女性の不幸を回避するため、主人公は様々な可能性を探り、最終的に女性と自分との出会いを回避することを選択する。犠牲にしたものは『主人公の、彼女に対する想い』だ。

 

シュタインズゲートは『犠牲にするものをもっと重く切なくできないか?』というところから着想された物語だとわたしは思う。

その効果はあった。

おおおなるほどこれは悲しい。

 

 

ところで、タイムトラベルモノの物語は、その呼び方が存在する通り、ジャンルを成立させるほど、多くの作品が存在する。

同ジャンル作品から見て見劣りしないためにシュタインズゲートでは『タイムマシンというウソ』をリアリティあるモノにするための話の流れが存在する。

要は詐欺師の話術であり、わたしの愛するゴト、インチキ、ズルの類である。

シュタインズゲートに関する感想ブログなどはほかにたくさんあることから、このブログではこの話術に着目して語ることにする。

 

 

 

■タイムトラベルをありそうと思わせるまでの流れ

①タイムトラベルはこんな理由で実現できないよ。(本当)

②スイスにあるCERNはすごい施設があって、実は秘密の実験でタイムトラベルを研究しているが失敗している。(CERNは本当。秘密の実験はウソ)

③主人公たちのラボで作ったマシンの変な現象はCERNが行なっている実験で起きた現象に似ている。

④主人公たちの作ったマシンでもう一つ変な現象が起きていた。よく検証してみると全角18文字、半角36文字までのメールが過去に送られていた。(CERNでもできないことを自分たちで実現したのはリアリティ上無理があるので、超ショボくしてメールの文字だけとかならいけそうじゃない? イケるでしょの飛躍)


⑤文字情報が飛ばせるなら、記憶を圧縮して情報化すれば送れるよね。(飛躍2)


⑥主人公たちがショボいものを作れるくらいなので、未来の技術なら完全なタイムマシンが作れるよね(飛躍3)

 


という段階を辿っている。

 

 

こうして改めて並べて見ると、CERNのすごい施設の紹介で読者に驚いてもらい、その驚きの中、ドサクサついでに陰謀論的なウソを混ぜて、そこからどんどん膨らませていったのがわかる。


ふむふむ。なるほど。こういうやり口か。

覚えておこう。

大切なものを守るためにも、わたしは1ミリでも賢くならねばならないのだから。

 

とは言え、この「タイムトラベルをありそうと思わせるまでの流れ」自体はジャンルのファンに向けたサービスであり、最初から受け入れるつもりの読者には冗長ではないか、とも思ったが、まぁ読んで蘊蓄が増えることが読み物の価値だ、という流派もあるので、その流派なのだなと思う。

 

 

ところで全く話は変わるが、Dメールの文面はタイムトラベルの副作用ということでメールの本文が3つに分かれるという演出があった。

 


こんな風に。

画像1

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画像2

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画像3

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このように途中で途切れた文面を見るとわたしはあの事件を思い出さずにはいられない。

 

あの事件とは
ジョジョってかっけーなー。だけどスピードワゴンがストレイツォに殺されていった事件」である。

 


事件について説明しよう。

この写真を見て欲しい。

これはジャンプコミックス版のジョジョの奇妙な冒険の5巻の巻末の読者からのお便りコーナーである。

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ジョジョってかっけーなー。だけどスピードワゴンがストレイツォに殺されていった」

である。

奇妙な文章だ。

絵の垢抜けない感じといい、幼い読者が漫画の内容に衝撃を受け、自ら見た漫画の展開をそのまま書いただけのように見える。

 


しかし!

この文章には続きがあった!

長年コミックスのノド部分に隠された文字があったのである!

なんと、ジョジョの顔の左側に続きの文字が書いてあったのだ!

わたしはある時、コミックスを手に取りノドを開くことでその衝撃的な続きの文字を目撃した!

 


かくして、わたしはこのお便りを書いた人物への態度を改め、己の不明を深く反省することとなった。彼の名誉はここに完全なる形で回復したのである!

 


わたしから言えるのはここまでだ。

 


え?

ハガキの続きに何が書かれていたかって?

 


どうしても知りたければジョジョ5巻を買うか

ジョジョってかっけーなー」で画像検索してくれたまえ。

あなたの求めていた真実がそこにある。

 

 

 

 


シュタインズゲートを遊んでもわからなかったこと


①岡部がダルに送った最初のDメールで、なぜα世界線に飛んだのか。あのメールでダルが何か行動を起こしたとは考えにくいためよくわからない。

 

CERNへのハッキングでCERN内のデータベースから岡部のメールを消したけれど、CERN側が岡部への襲撃をすでに決めていたら意味ないのでは? (そしてその可能性は高い)


③8/17にCERNのデータベースのメールを消すことでクリスが消える理由がわからない。(メールは7/23のものだが)クリスは7/28を生き延びるのでは?


④トゥルーエンドルートで、唐突に「岡部が観測した事実は確定しているので、それを欺け」ということが出てきたけど、そんなのそれまでにあったっけ?

(余談だがトゥルーエンドルートは早々に「無駄なんだぁぁ」って岡部が諦めたりして、ライターが違うのかな? みたいな印象を受けた。制作者が描きたかったエンドはクリス編ですでに描き終えており、美少女ノベルゲームというジャンルの要請上、全員ハッピールートを作成する必要があったのだなと思っているので、トゥルーエンドルートは雇ったライターの裁量に任せたか?)

 

⑤岡部のリーディングシュタイナーの能力は何によって発生していたか。プレイヤーが岡部をカメラとして使ってることが影響している、とかあるのかなと思ったらそんな展開はなかった。

 

⑥ラボのビルからCERNに直通回線が伸びてる理由は? ラウンダーの天王寺が直通回線使うほどとは思えないので、トゥルーエンドに出てくる未来岡部が過去に戻ってビルやレンジやブラウン管などを配置した?(だったらもっとやれることあるよな)

 

 

とまぁ、わからないところがいくつかあるが、制作者の語りたかった骨子は理解したと思うのでこの記事を書き、その後いろんな考察サイトを見ようと思います。

96.教育虐待や反出生主義などについて考えて小説を書いたのである

わたしは趣味で小説を書いている。

今回、自分の中で関心の高い教育虐待や反出生主義などを考えて小説を書いたのであーる。

賞に出したのだが、落選したので公開。

小説の新人賞というのは一年に一回しか選考がなかったりするので、待機時間が長くてキツい。

 

題材自体が珍しいし、書いてる結論も珍しいと思うので、きっと人類があと10年後くらいに理解する考えなのだろうと思うことで落選の傷を癒すことにする。

 

というわけでURLを貼る。

 

こどものはなし(我那覇キヨ) - カクヨム