97.シュタインズゲートってかっけーなー。

年末年始の休みを利用してシュタインズゲートを遊んだのだ。面白かったー。後半は先が気になって一気に遊んだ。

 


シュタインズゲートはタイムトラベルモノである。

以降タイムトラベルモノに関する複数の作品のネタバレがあるため、注意。

 

 

 


タイムトラベルモノの物語の結末には2つの型がある。

つまり

①「色々あったけどタイムトラベルで全部解決してオールハッピー」と

②「それを選ぶと犠牲があることを理解した上で、犠牲を受け入れて選択する」の2つである。/1

この後者の型だが、これは理解しないまま犠牲を払うよりも悲しみの濃度が高くなるため、その効果を狙って使われるものだ。


例えば映画「バタフライエフェクト」では、ある女性の不幸を回避するため、主人公は様々な可能性を探り、最終的に女性と自分との出会いを回避することを選択する。犠牲にしたものは『主人公の、彼女に対する想い』だ。

 

シュタインズゲートは『犠牲にするものをもっと重く切なくできないか?』というところから着想された物語だとわたしは思う。

その効果はあった。

おおおなるほどこれは悲しい。

 

 

ところで、タイムトラベルモノの物語は、その呼び方が存在する通り、ジャンルを成立させるほど、多くの作品が存在する。

同ジャンル作品から見て見劣りしないためにシュタインズゲートでは『タイムマシンというウソ』をリアリティあるモノにするための話の流れが存在する。

要は詐欺師の話術であり、わたしの愛するゴト、インチキ、ズルの類である。

シュタインズゲートに関する感想ブログなどはほかにたくさんあることから、このブログではこの話術に着目して語ることにする。

 

 

 

■タイムトラベルをありそうと思わせるまでの流れ

①タイムトラベルはこんな理由で実現できないよ。(本当)

②スイスにあるCERNはすごい施設があって、実は秘密の実験でタイムトラベルを研究しているが失敗している。(CERNは本当。秘密の実験はウソ)

③主人公たちのラボで作ったマシンの変な現象はCERNが行なっている実験で起きた現象に似ている。

④主人公たちの作ったマシンでもう一つ変な現象が起きていた。よく検証してみると全角18文字、半角36文字までのメールが過去に送られていた。(CERNでもできないことを自分たちで実現したのはリアリティ上無理があるので、超ショボくしてメールの文字だけとかならいけそうじゃない? イケるでしょの飛躍)


⑤文字情報が飛ばせるなら、記憶を圧縮して情報化すれば送れるよね。(飛躍2)


⑥主人公たちがショボいものを作れるくらいなので、未来の技術なら完全なタイムマシンが作れるよね(飛躍3)

 


という段階を辿っている。

 

 

こうして改めて並べて見ると、CERNのすごい施設の紹介で読者に驚いてもらい、その驚きの中、ドサクサついでに陰謀論的なウソを混ぜて、そこからどんどん膨らませていったのがわかる。


ふむふむ。なるほど。こういうやり口か。

覚えておこう。

大切なものを守るためにも、わたしは1ミリでも賢くならねばならないのだから。

 

とは言え、この「タイムトラベルをありそうと思わせるまでの流れ」自体はジャンルのファンに向けたサービスであり、最初から受け入れるつもりの読者には冗長ではないか、とも思ったが、まぁ読んで蘊蓄が増えることが読み物の価値だ、という流派もあるので、その流派なのだなと思う。

 

 

ところで全く話は変わるが、Dメールの文面はタイムトラベルの副作用ということでメールの本文が3つに分かれるという演出があった。

 


こんな風に。

画像1

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画像2

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画像3

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このように途中で途切れた文面を見るとわたしはあの事件を思い出さずにはいられない。

 

あの事件とは
ジョジョってかっけーなー。だけどスピードワゴンがストレイツォに殺されていった事件」である。

 


事件について説明しよう。

この写真を見て欲しい。

これはジャンプコミックス版のジョジョの奇妙な冒険の5巻の巻末の読者からのお便りコーナーである。

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ジョジョってかっけーなー。だけどスピードワゴンがストレイツォに殺されていった」

である。

奇妙な文章だ。

絵の垢抜けない感じといい、幼い読者が漫画の内容に衝撃を受け、自ら見た漫画の展開をそのまま書いただけのように見える。

 


しかし!

この文章には続きがあった!

長年コミックスのノド部分に隠された文字があったのである!

なんと、ジョジョの顔の左側に続きの文字が書いてあったのだ!

わたしはある時、コミックスを手に取りノドを開くことでその衝撃的な続きの文字を目撃した!

 


かくして、わたしはこのお便りを書いた人物への態度を改め、己の不明を深く反省することとなった。彼の名誉はここに完全なる形で回復したのである!

 


わたしから言えるのはここまでだ。

 


え?

ハガキの続きに何が書かれていたかって?

 


どうしても知りたければジョジョ5巻を買うか

ジョジョってかっけーなー」で画像検索してくれたまえ。

あなたの求めていた真実がそこにある。

 

 

 

 


シュタインズゲートを遊んでもわからなかったこと


①岡部がダルに送った最初のDメールで、なぜα世界線に飛んだのか。あのメールでダルが何か行動を起こしたとは考えにくいためよくわからない。

 

CERNへのハッキングでCERN内のデータベースから岡部のメールを消したけれど、CERN側が岡部への襲撃をすでに決めていたら意味ないのでは? (そしてその可能性は高い)


③8/17にCERNのデータベースのメールを消すことでクリスが消える理由がわからない。(メールは7/23のものだが)クリスは7/28を生き延びるのでは?


④トゥルーエンドルートで、唐突に「岡部が観測した事実は確定しているので、それを欺け」ということが出てきたけど、そんなのそれまでにあったっけ?

(余談だがトゥルーエンドルートは早々に「無駄なんだぁぁ」って岡部が諦めたりして、ライターが違うのかな? みたいな印象を受けた。制作者が描きたかったエンドはクリス編ですでに描き終えており、美少女ノベルゲームというジャンルの要請上、全員ハッピールートを作成する必要があったのだなと思っているので、トゥルーエンドルートは雇ったライターの裁量に任せたか?)

 

⑤岡部のリーディングシュタイナーの能力は何によって発生していたか。プレイヤーが岡部をカメラとして使ってることが影響している、とかあるのかなと思ったらそんな展開はなかった。

 

⑥ラボのビルからCERNに直通回線が伸びてる理由は? ラウンダーの天王寺が直通回線使うほどとは思えないので、トゥルーエンドに出てくる未来岡部が過去に戻ってビルやレンジやブラウン管などを配置した?(だったらもっとやれることあるよな)

 

 

とまぁ、わからないところがいくつかあるが、制作者の語りたかった骨子は理解したと思うのでこの記事を書き、その後いろんな考察サイトを見ようと思います。