ここからはネタバレあり&プレイしたことのうろ覚えで書く。
アトムについてそれほど詳しいわけではないが、GBAの『ASTRO BOY 鉄腕アトム アトムハートの秘密』は面白かった。もちろん手塚治虫は亡くなっているため、オフィシャルではないがアトムと天馬博士の関係が深掘りされたストーリーになっている。大変見事なストーリーでジーンと来てしまった(古風な言い回し)。ストーリーを書くのに大変な時間をかけたのではと想像される。おそらく制作開始前から個人的に考え続けていた内容を機会に恵まれて作品に織り込んだのではと思っている。
アトムはその知名度とは裏腹に、問題が山積みな作品だ。しかし既存のキャラクタを使ってゲームを作る以上、改変してよい設定の範囲には限界がある。
アトムの簡単な設定を以下に書く。
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アトムは天馬博士に作られたロボットだ。
天馬博士は息子が交通事故で亡くなり、その悲しみのあまりアトムを作った。
しかしアトムが人間のように成長しないことに腹を立てた天馬博士はアトムを捨ててしまう。
アトムは紆余曲折の末、お茶の水博士の元で暮らすことになる。
アトムの活動内容は平和維持。
アトムの世界はロボットが普及した未来世界。
ロボットに対する過酷な扱いに対し、ロボットから反対運動も起きている。
アトムはロボットでありながら人間の下につく。ロボットである我が身、ロボットの主張の正しさと人間の横暴さを目の当たりにしながら葛藤することになる。
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この設定を引き継いだストーリーで、どう考えてもむちゃくちゃなだけだった天馬博士とのエピソードもクリアされた物語が書かれている。
繰り返すが手塚治虫オフィシャルではない。
ではないが、もうわたしの中でアトムの世界の真相はこれでよいと思うのだ。
ロボットの人権問題も「ぼく、よくわからないけどきみが間違ってると思う」とか言ってロボットの指導者アトラスと戦ってしまうアトムを見て、アトラスを応援したくなった子どもはいっぱいいたはずなのだ。
そういう、手塚作品から種を受け取り温めてきた読者の夢が結実した稀有な作品だと思う。
オススメです。
なお、アクション部分も超名作です。
操作して気持ちよく、フィールドを自由自在に飛び回り、様々なオブジェクト壊し、破壊の限りを尽くすことができる。(あれ?平和の使者?)
開発はトレジャー。
あの『罪と罰』のトレジャーですよ。わたしは『罪と罰』以降 過去のトレジャー作品を探してプレイしていた時期があり、そこで出会ったのです。
横スクロールアクションで探索要素で手塚キャラが総集合するのも嬉しい。ブラックジャック、火の鳥など有名どころも、ランプのような渋いキャラも出てくる。(でも、ブッダは出ない。ファンも多いのにどうしてだろう(笑))
当時の携帯機ゲームという限られた予算の中「手塚ゲームの決定版を作るぞ!」という気概が感じられる。
今プレイする環境を整えるならDS LITEがベストだろう。(ギリギリ1世代前ですよ!)
オススメです!