36.思考記録と近況のようなもの

友人に小説を読んでもらった。本当は小さな賞をとってから見てもらうほうがハクがつくと思っていたのだが、賞には落ちたしハクなんかつけることよりも時間の方が惜しいなと思ったのだ。

三点リーダとか、文章が変なところとか、意味が取りづらいところとかはちょくちょく直していこうと思う。

http://wagahaiblog.hatenablog.com/entry/20170203/1486099286

 

別の日に別の友人と、人形遊びをいつまでしてたかって話から「面白いことって頭の中のほうが多いね」って話になった。それはわたしもそうで、妄想をチューインガムのようにずっと味わって楽しんでる時ってとても幸せだ。映画は好きだけど、映画のあとの余韻の時間はもっと好きかもしれない。

映画がデートの定番なのはこの余韻を共有するところにあるのだと思う。今のわたしだとマインドマップに感想をまとめようとするだろうから雰囲気としてはアレなのだろうけど。

 

小説を書くとすっきりする。頭の中で考えていた妄想をなんとか筋道つけて一つの話にするとすっきりする。

「もうこれについては一旦答えをだしたので」くらいのことは言えるような気分になるのだ。それがお金になればもっと最高だろうけど、その道は長く険しく、さらには入り口がよくわからないので、一旦置いておく。(長く険しいのかも実はわかっていない)

 

幸い、需要があるかどうかわからない話でも、親しい人たちは面白いと言ってくれている状況なので幸せだと思う。

44.短編小説 [ReadMe.txt]

.ReadMe.txt

 

1
 目が見えていないのに目が覚めると書くのは奇妙な感覚だが……意識を取り戻したと書くべきか。要するにわたしは眠っていて起きたのだ。音が聞こえる。声はうまく出ない。指は動く。体は少しねじってみると動くが腰から下はよくわからない。そうこうしているうちに看護師が呼んだ医者がやってきたことが音でわかった。驚いたことに同僚もいる。医者と同僚から受けた説明を要約するとこうだ。わたしは妻とともに旅行中に立ち寄った街で交通事故に遭った。妻、メアリーはわたしよりも軽傷。今は怪我の治療をしながら、会社と治療費の手続きを行っているとのこと。わたしの体からは無数のチューブが伸びていて、それは様々な機械とつながっている。体に痛みはないが、猛烈に麻酔をかけてるのだと医者から教えられた。確かに色々なところの感覚がにぶい。
 怪我の一覧とおおまかな治療計画について話し終えたところで、話し手は医者から同僚に変わった。生きていて嬉しいという挨拶から、治療費のことに話題は移り、要するに会社としても休暇期間中でしかも海外での事故であることから、出せる治療費には限度があるということに話は進んだ。ある日起きたら知らない病院で、お先真っ暗な現実が待っていたというわけだ。ありがたいことだ。
 だが我が同僚の優秀なところはここからだった。なんと、かつてお蔵入りになったあるプロジェクトにわたしが協力するなら、治療費を捻出できるように根回しを進めていてくれたのだ。わたしが協力の意思を伝えると同僚は安心した声で「よかった。お役にたてました」と答えた。

 

2
 自己紹介が遅れたが、わたしのことを話そう。わたしは玩具メーカーに勤めている。わたしが作った商品は人気が高く、新商品を発表するときには国内だけでなく海外でもお披露目のプレゼンテーションが開かれるくらいの、いわゆる売れっ子開発者だ。
 わたしが手がけたプロジェクトにはいくつかお蔵入りにしているものもあったが、その中の一つにゴーストというプロジェクトがあった。
ゴーストは会社の上層部からはウケがよかったが、技術上の問題と倫理上の問題から商品化を見送った。今回のわたしの事故を受けて、会社はわたしが死ぬ前にゴーストを完成させようと圧力をかけてきている、というのが 今のわたしを取り巻く状況だ。(同僚の話を真に受けるならばもっと恩情にあふれたもののようだが……実態はどうだか、というところだ)
 次に、ゴーストのことを説明しよう。ゴーストはおしゃべり用の人工知能だ。といっても、今の人工知能に人とのおしゃべりは荷が重い。コンピュータは物事に詳しすぎるし、厳密すぎるし、大事なものとそうでないものとの区別がつかなさすぎる。すぎるすぎると表現したが、色々なものが過剰かゼロかのようなもので、とにかく自然言語の習得は人工知能にはとても難しいのだ。そのためゴーストは、「特定人物にとっての一人の人物を模倣する人工知能」という具合に、商品コンセプトとしてハードルを下げた。つまり今回の例だと、メアリーにとってのわたしだ。メアリーから見て、わたしと見分けのつかない人工知能を作ることが目的になる。幸いというか、皮肉なことに理想的な状況は整っている。
制作過程は簡単に言うとこうだ。メアリーが病室に来る。メアリーにはゴーストのことは伏せられている。ゴーストとわたしはランダムにメアリーと会話する。もしゴーストが失言をすれば、わたしがフォローして取り繕う。メアリーが帰る。わたしはゴーストのチューニングをする。メアリーが病室に来る。以下繰り返し。そしていつしかメアリーはわたしとゴーストの見分けがつかなくなる。それがゴーストの完成。
 倫理的な問題は……メアリーに秘密であること以外は問題ない。だが、全てが終わったあとで借金のためだったと言えば許してもらえるだろうという計算もある。メアリーの怪我の予後観察ということにして、彼女にもセンサーを取り付ける。彼女が感じた違和感をきちんとモニタするためだ。これでメアリー側の準備はオーケー。わたしは事故にあってうまく声が出せない。機械の補助を使ってしゃべることになる。ゴーストの声の違和感は、事故の後遺症としてごまかせる。そのほかの違和感も、事故後の混乱として誤魔化せるだろう。状況としてはこれ以上ないほど整っている。……会社や同僚がこの状況を準備したのではなければ。
 もちろん、これで完成するのは「対メアリー用のわたし」という、非常に限定されたゴーストだ。こんなものは商品にならない。だがゴーストを作る工程は商品になる。コミュニケーションの密度に応じて制作工程をアレンジすれば転用先はいくらでもある。技術デモとしても優秀だ。ゴースト完成後にメアリーはインタビュー漬けにされる可能性があるが、それでも借金よりはマシだろう。
 状況を整理する。わたしは大きな事故に遭って、いくつかの身体の機能を失い、しかも莫大な借金がある。そして借金を返すために最愛の妻メアリーを騙すことになった。
 しかし、それでもやらなければならない。わたしなりに考えた結果、状況を利用して最大の利益を勝ち取るべきだと思った。事故の前と今。今と未来。事故は大きな不運だ。借金もそうだが、これからの治療にも金はかかるだろう。失ったものの大きさはまだ把握しきれない。だからこそ一歩でも多く、幸せに近づく必要がある。突然の不運程度でわたしは負けたくないのだ。わたしには悩んでいる時間はなかった。その日の夕方にはメアリーが病室に来てしまう。わたしに迷いがあれば気づかれるだろう。わたしは決断した。メアリーを騙し、ゴーストを作ることを。 

 

3
 メアリーにもうすぐ会える。受付からの電話を受けて、同僚は出て行った。いかに同僚の根回しがよいとは言え、まだ準備はできていない。今日、ここにいるのはわたしだけだ。ゴーストはなし。
 メアリーが病室に入ってきた。
「あなた、目が覚めたのね!」
「おはようメアリー。まだ目が見えないし、ちょっとそうだな。色々と余計な機械に繋がっているけど、ひとまず目は覚めた」
「よかった。でも、その声……」
「残念なことに怪我の後遺症でね。機械の力を借りてる。でも、ぼくの場合、研究室に過去の音声データが膨大に残っているから、そのうち前の声に近づけることはできると思う。おっと、ハグは注意してくれ。この、左脇腹のチューブがとれたらあぶないそうだ。ぼくは今、麻酔のせいで、チューブが抜けても気づかない。触れるなら……そうだな。ほほに優しく触れてくれると嬉しい。比較的無事な部分だし、圧力も検知しやす……」
言い終わる前に、メアリーぼくに触れてきた。「よかった。またあなたのへらず口が聞けるなんて」
「大げさだよ。それに、ぼくのはへらず口なんかじゃない。伝えなければいけない情報が多いから、どうしても口数が多くなるんだ」
「ふふ」
麻酔で手触りはぼやけていたが、懐かしい暖かさがゆっくりと伝わってきた。
「ありがとう。目覚めてくれて」
「こちらこそ。触れられていて気持ちいいよ」
「わたし、あなたのへらず口を聞いてすごく安心した。今まで心細かったんだなってようやくわかった」
「心配かけたね。これまでの分も取り返して喋らないと」
 その日のことはあとはもう、書かなくてもいいだろう。メアリーはたくさん泣いたし、わたしはみっともなくおろおろした。目覚めてよかった、生きててよかったとお互いに何度も繰り返した。文字で書いて伝えられる情報の交換はこのくらいだ。

 

4
 手筈通り、メアリーが部屋に入ってきた。ゴーストの準備もできている。わたしはドアの方を向く。
「それ、なに? その、耳に挟んでるペンみたいなのは……」メアリーがわたしを見て、怪訝な声を出す。
「これには温度を測るセンサーと、そのセンサーに反応して振動するモーターが組み込まれている。目が見えなくても、人がどの方向にいるかがぼくにはわかるってわけだ。言わばぼくのあらたな目だ」
「あきれた。昨日、そんなもの作ってたの?」
 これだけではない。昨日のうちに助手が三人やってきてゴーストの試作版も動くように調整した。この不恰好なセンサーは機械が増えていることに対する目くらましのようなものだ。
「でも、メアリー……どうしたんだ。随分低いところに座っているが……」
「センサーの故障ね。わたしは目の前の椅子に座っているだけ。そしてあなたはわたしのおなかに向けて話しかけてる」
「……紅茶か何か、暖かいものを飲んですぐにここに来た?」
「チャイニーズヌードルを食べました」
「なるほど。センサーは正常だ。ぼくはものの見え方が変わったんだ。新しいぼくを受け入れてくれ」
「耳にペンを挟むのをやめてくれたら、一緒に街を歩いてもいいけれど……」
「そこは改良予定だ。試作版としてちょうどいい場所が他になかった」
「そういえば声も……」
「あぁ。ぼくのラボからデータを運んできてもらって助手三人が調整してくれた。まだイントネーションに納得いかないところがあるけれど、逐次調整していこう。それと、治療費のことだが、もう安心していい。会社がぼくを雇い続けることに決めた。治療費も返さなくていいそうだ。他にも必要なものがあったらメモを出してくれ」
「すごいわね」
「まだ体はボロボロだけど、頭のほうは冴えてる。ぼくが能ある男で幸運だったよ」
「ふふ」
「あぁ、しかしダメだな。このカメラは。ずっと振動してるのはぼくの設計ミスだから仕方ないが……その……」
「なに?」
「笑っているきみの顔が見えない」
「……そう」
「ごめん。こんなことになって」
「あなたのせいじゃないわ」
「……ほんとに無事だった? どこも怪我してない?」
「わたしも怪我はしたし、骨折もしたわ。まだ左腕はギプスが外れない。前に言った通りよ。なにも聞いてなかったの?」
こういう失言が、ゴーストと共にいると起こる。単純なデータの入れ忘れだ。というわけで、ここがわたしの腕の見せどころだ。
「いや、違うんだ。いや、その、ほら、この前は、再会できて嬉しくて……」
「そうね。生きてさえいれば、あとは些細な問題だものね」
「ぼくのことに関してはその通りだ。でも、きみについてはそうじゃない」
「わたしが能ある女じゃないから?」
「違う。大切だからだ」
「あら、そう」
 ぼくが笑うと、またメアリーは少し泣いた。これまで不安だったこと、生き残ってよかったこと、回復の見込みがあることや元どおりにはならないこと。色々なことがあってそれを乗り越えている最中なのだ。情報は重複するし、順番は前後する。会話とはそういうものだ。意味は言葉ではなく関係性を含めた文脈に宿る。極端な言い方をすれば「ばか。だいきらい。死んじゃえ」が愛を伝える言葉になりうる。これをゴーストに学習させられるだろうか。学習させられたとして、メアリーはゴーストとわたしの区別がつかなくなってしまうのだろうか。そのために作業をしているが、達成した時のことを思うと複雑な気持ちだった。

 

5
 「容量が多すぎるな。これじゃ、3年も経たずにディスクがいっぱいになるぞ」同僚とデータ集計の結果を確認しながら、わたしは言った。一応書いておくが、わたしが先にしゃべった場合はゴーストは喋らない。これまでの会話でも喋り出しに「……」のあるものがゴーストの言葉になる。
「ぼくの場合は金に糸目をつけずにデータを蓄積できるが、商品化したらそうもいかないだろう。データの持ち方を変更したほうがよさそうだ」
「そちらの開発は助手たちに任せましょう。有意な差分が出た瞬間のみ保存するようにしてもいいと思います。あなたはゴーストのチューニングをしてください」
ゴーストが言おうとした言葉のリストをチェックする。自分が言いそうにない言葉だったら自然言語で修正する。修正した言葉を解析し、ゴーストのパラメータがチューニングされる。チューニングしたあとのゴーストで、直前のメアリーの映像と会話させる。会話が噛み合っているように見えるかをチェック。ダメならまたチューニング。以下繰り返し。ひとまずこれがぼくの日々のタスクになる。
「しかし、どう思う? 究極的には忘れる量と記憶する量をバランスしなければ、容量の問題は解決しない。しかし、そんな大量に忘れさせたら不自然さを隠せない。今は検討しなくてもいいかもしれないが、忘れさせるロジックを決めるだけで、専用のチームが必要になりそうだ。方向性としては、頻出するものは忘れない、使用頻度の低いものでも例外的に忘れないものがある、とかだろうが……」
「忘れ方も人格を決めるファクターなんですね。ここは時間をかけて調整が必要だと思います」
「そのことについては、一つ朗報がある」
「なんです?」
「忘れるロジックが必要になるまで3年あるってことだ」
「なるほど。確かにそうですね」
「ぼくが達成するものは、最大限のバックアップと理想的環境の中で、非常に限定されたハードルを越えることだ。甘やかされてるよな、ほんとに」
「それだけの価値があることです。実用化されている人工知能は自動運転、企業のサポートセンター、医療問診のサポートなど、ゴールが決まっていてそこへ導くものだけです。極端なことを言えば、チェックシートと同じ。無数のYesNoチェックを光に等しい速度で随時、確認しているだけのものです。もちろん、これはこれで人間にはできない精度を実現するもので、その価値は素晴らしいものなのですが……ゴーストはそれとは方向性が違います」
「期待に応えられるように頑張るよ。ゴーストに真似させなきゃいけないやつが、もともと偏屈なやつだから大変だけど」
 同僚は笑った。そう。期待がかかっている。
 上層部からの期待は大きかったが、被験者が見つからずに諦めたプロジェクトだった。仮に、わたしの事故に誰かの意図があったとしても十分納得がいくぐらいの期待。……同僚にもセンサーをつけてもらったほうがよいだろうか。そのための言い訳を考えなければ……

 

6
 ある日のことだ。わたしはなるべくゴーストに会話を任せようとしていた。
「昨日はよくねむれた?」
 メアリーが言う。
「……まぁまぁだね。寝ようと思って30分くらいで眠ったと思う。おそらく薬のせいだろう。いくらでも眠れる気がする」
「またちょっと薬の量が増えてるものね」
「……あぁ、主治医も色々考えてくれてるが、まだこのたくさんのチューブを外すのは無理そうだ」
「うん。まだ起きたばかりなんだし、焦ることない。きっとリハビリを始めたら驚くわ。太ももなんかすっかり細くなってるもの」
「……考えたんだが、この機械を全部車に詰めて退院するのってどうかな。きみはホテルに帰る。ぼくは駐車場で一夜を過ごす。話をしたければ電話をする。消灯時間も怖い看護師さんもなしだ」
 わたしはゴーストの喋った内容に驚いていた。このままゴーストの会話を見守ろうと思った。
「それは素敵ね」
「……車をふくめてぼくの身体だと考えるんだ。つまり、車が皮膚、この機械が内臓とね」
「なるほど。ものの見え方がまた変わったわけね」
「……確か、トランスフォーマーは金属生命体だった。あぁ、つまり、子ども向けのアニメのトランスフォーマーのことなんだけど……車がロボットに変形するヒーローが出てくるやつだ。で、トランスフォーマーはロボットだけど生き物なんだ。悪役もそう」
「それじゃ、子どもの頃に憧れた存在になれたってわけ?」
「……いや、事実はそれほどドラマチックじゃない。つまり……ぼくは別にトランスフォーマーのことは好きでもなんでもなかった。だから、特に嬉しくはないんだが……」
「あなたって本当にしょうもないことを言うわね」
「……そうかな」
「でもありがとう。安心した。気持ちまで落ち込んでたらよくないものね」
「うん」
 わたしは驚いていた。最後のうん以外の言葉はすべてゴーストが喋ったことだ。わたしが言いそうな冗談を、わたしより先に言っている。冗談の発想の元ネタはわかった。ゴーストの話題と語彙を増やすため、わたしが会社内で利用したブラウザの検索履歴を使ったのだ。発想の元ネタは2016年に人工心臓をリュックに詰めたまま一年以上生活してその後心臓移植を受けた男のニュースと、合体変形ロボットのサンプルを山ほど見ていた時の記録の合成だろう。確かにわたしが言いそうな冗談だ。

 

7
「たとえば、幸いにもこの技術が発展したとしてだ。こういうケースも考えておかなければならない」わたしは同僚に声をかける。気分がハイになっているのを感じる。
「子どものオモリとして、ゴーストを使っている夫婦がいるとしよう。この場合のゴーストは、最初は人の真似だが、子どもの兄弟として子どもとともに成長していく鏡のようなものだ。ところがある日、子どもが不幸な事故に遭い、死んでしまう。残されたゴーストの運用方法は二つある。一つはこれまで通り、死んだ子どもの兄弟として運用する。もう一つが膨大な蓄積データを元に、子どもの代わりとして運用することだ。おそらく、子どものマネをさせたらそのゴースト以上にうまくできるものは地球上に存在しないだろう。ゴーストに子どもと同じ名前をつけ、これまでと同じように生活する。年月をかけるうちに、子どもとの思い出とゴーストとの思い出の境界はあいまいになっていく。喪失の悲しみを和らげることにも成功するだろう。だが……あいまいな言い方になってしまって申し訳ないが……どことなく不道徳な気がする。どうしてだと思う?」
「法律上は問題ありません。もちろん子どもの社会との接点、たとえば学校などでは問題が起きると思いますが……家の中では問題は起きないでしょう」
同僚は答えた。
「その通りだ。だからこれは死者との関係性についてのマナーのようなものだ」
「あなたの口からマナーという言葉が出るとは思っていませんでした」
「あぁ、それを言われると返す言葉もないんだが……ぼくは礼儀知らずだし、傲慢だった。こんなぼくだって過去を振り返ると恥ずかしくて身悶えする時が、ないわけではないんだ」
「なるほど」
「話を続けていいか? 子どもが死んだって親は生きる。ずっと悲しんでばかりいるわけにもいかないだろう。子育てばかりが人生でもないさ。趣味に生きてもいいし、生活することの中に喜びもあるだろう。次の子どもができるかもしれないし、養子って選択肢だってある。死んだ子どもが幼児だったら?高校生だったら? 中年だったら? それぞれの状況によってとれる選択は違うだろう。これまでだったら、悲しみは喪失と共に生活のすぐそばでいつでも寄り添っているものだった。だがゴーストがあると喪失がキレイに埋められてしまう……。個々の事情の中に、ゴーストが強く介入しすぎてしまわないかは、考えていかなければならないと思う」
「亡くなった方の思い出の手紙や品物などは、残された者にとって特別な意味を持ったりしますね」
「そうだ。 そして手紙や写真、思い出と最も違うのは、ゴーストがインタラクティブであることだ。反応を返し、成長もする。悲しみをまぎらわせるのには、これ以上最適のものはないだろう。ゴーストが普及すれば、ある意味では当人にとっての死は存在するが、当人以外にとっての死は存在しなくなるのかもしれない。テクノロジーイノベーションを起こした結果なのかもしれないが、それはとても不道徳な方に社会を進ませているようにも感じる」
「あなたの答えはどうなんですか?」
「うーん。……ここまで話して申し訳ないんだが、これはぼくの問題じゃない。ぼくはメアリーにとってのぼくを、ゴーストで作り上げる。それで会社から借りた金をチャラにする。体の不便を補うための色々なものや気分を良くする贅沢品を山ほど請求して、それもタダにする。あとは退職金をたんまりもらって、それでおしまい。でも、会社に残るきみは考えたほうがいい。この商品が巻き起こす事態は、おもしろいおもちゃに対する苦情なんかでは済まないかもしれない。だからぼくの立場は『警告はしたからな!』と言いながら人を破滅に導く兵器を開発してしまう、映画に出てくるステロタイプで愚かな科学者のようなものだ。ポリシーがないという批判は甘んじて受けよう。でも、ぼくには他に選択肢はないんだ」
「あなたの事故については、残念に思います。わたしも、もっと一緒に仕事をしていたかった」
「そいつはどうも。ぼくもきみと仕事ができてよかった。ただ、この体では無理も多い。痛いところもいっぱいあるし、薬もいっぱい必要なんだ。悪いけど、先にリタイアさせてもらうよ」
「お疲れ様でした」
「まだまだ調整は残ってる。油断してメアリーに気づかれて、実験自体が中止になる可能性だってあるさ。お別れは全部終わってからにしよう」

 

8
 とても残念な報告があった。
 主治医が申し訳なさそうに語り、同僚が落ち込んだ声で補足した内容を要約すると、要するにわたしはあと半年から一年程度で死ぬそうだ。死ぬそうだと客観的に書いていることからわかるかもしれないが、あまり実感はない。ただ、質問しないままでいるのも精神衛生上良くないので主治医を質問攻めにして、万策手が尽きていることもわかった。今のわたしは、主治医や専門チームが各種データを読み取って、薬や機械で調整することでやっとのこと生きている。複数の臓器が悪く、複数の原因のどれかがひとつでもしきい値を越えれば、取り返しのつかない変化が起き、わたしは死に至る。すでに複数の解決策が議論されており、それぞれが違った理由で実行できないこともわかっている、ということだ。
 ひとしきり質問を終えると、わたしは同僚と今後の計画変更を相談することにした。
「あと半年と見積もろう」わたしは言った。
「……ゴーストの完成までですか?」同僚がわざと間違えたのはわかった。優しいやつだと思う。
「わたしの残りの寿命だよ。ゴーストのチューニングはまだまだかかる。時間をかけたほうが精度があがるのも間違いない。その上でぼくの寿命をあと半年と見積もって、半年以内にバージョン1をだそう」
 計画はこうだ。
 わたしが死んでもメアリーにはわたしの死を伏せる。伏せた状態で1ヶ月ゴーストと話をさせる。わたしのフォローなしで1ヶ月の間に人工知能であることがバレなければゴーストの完成とする。わたしの姿が直接見えないことについては何らかの説得力ある工作が必要だが、それは病院と協力してできそうだ。無菌室なりなんなり理由をつけて、カメラ越しに話をさせるのだ。
「真相を知ったあとで、メアリーは納得しますかね」同僚が言う。
「納得しないだろうし、許してはもらえないだろう。でも借金は消える。死に目にあえないというよりは、死に目がぼやけるという感じか。そこは申し訳ないな。ビデオレターは用意しよう。手紙も残そう。借金ではなく貯金も残そう」
「最終試験のあとのゴーストについてですが……」
「会社に残す分は当然きみたちが持っていってくれ。できればメアリーにオリジナルを渡して欲しいが、まぁ最新版のコピーならそれでもいい。その後どうするかはメアリーが決めるだろう。ぼくの気持ちを語るのならば、仮にメアリーがゴーストをそばに残すのだったら、ぼくが生きてもいないのにメアリーの残りの人生を縛るようで心苦しくもあるし、少し嬉しいような気持ちもあるし、人工知能に妻をとられたような寂しさもある。複雑だよ。残さないんだったら、怒らせてしまったな申し訳ないなというシンプルな感じさ。ああ、しかし‥‥‥」
「なんです?」
「ショックで言葉もでないな」
 わたしのくだらない冗談に同僚が笑ってくれたのがよかった。笑うしかないではないか。こんなのは。

 

9
 自分の死を事前に知りたいか、と言われたらわたしは知りたいほうだ。いつ死ぬかわかっていれば、後に残らないことの優先順位を下げ、後に残ることの優先順位を上げることができる。仕事の締め切りと同じようなものだ。死ぬことが怖くないわけではないが、その怖さについては通り一遍のことくらいしか思いつかない。気がかりなのは残されるメアリーのことだが……そこはうまく言語化できない。
 残りの期間に急遽、強化テストを組み込むことにした。その手順はこうだ。
 まず、ゴーストのコピーを取る。コピーしたゴーストとわたしで会話を行う。わたしは「おまえは人工知能だろ?」と追及する。ゴーストは弁解する。わたしは追及の手を緩めない。そのうちにゴーストは人工知能であると判断できる情報を漏らす。そこで一旦コピーを止める。会話のパターンを分析し、その流れになる前に話をそらす方法を検討する。検討結果をオリジナルに反映。コピーは削除。オリジナルにはこのトラウマ体験を残さない。以上、例によって繰り返し。
 強化テストを導入したのは、志を低くしたせいだ。本当はこんな小細工で対策をするべきではない。最終試験の1ヶ月の間、なんとかバレなければいい、という発想が根本にはあるので同僚からも眉をひそめられたが、なんとか折れてくれた。
 昨日はゴーストがバレた時のために、ビデオレターを作成しておいた。くだらないバグでメアリーにバレても悲しいので、バグ取りも鋭意行なっている。毎日忙しく働いていた。疲れないと言えば嘘になる。実験を兼ねているとは言え、メアリーとの会話は毎日の癒しになっている。もちろん、ゴーストのことがバレないように注意していたし、ヒヤリとする瞬間もないわけではなかったが。
「最近の仕事なんだが、ある装置の人工知能について行き詰まっていて……」
 メアリーとの会話が途切れた時、ついわたしは口に出していた。単に仕事の苦労のことを簡単に話す程度の軽い気持ちだった。メアリーは話を逸らした。わたしは驚き、またその話を振った。メアリーは別の話を始めた。メアリーの言葉が頭を素通りしていく。一つの疑念が瞬く間に頭に広がり、足元が崩れ去るような恐怖がやってきた。呼吸が苦しくなる。考えがまとまらない。疑念の先を想像することを恐怖が拒んでいる。どれくらい時間が経っただろうか。やがてその疑念を否定できる根拠が何一つないことに観念すると、わたしは受け入れがたい事実を受け入れた。
 ここにいるのはメアリーではない。

 

10
 同僚と話し、わたしに伏せられていた事実を聞きだした。
 わたしは事故から3年も眠っていた。事故の後すぐにメアリーは目を覚まし、そして彼女は自分の残りの命がそう長くないことを知った。わたしが目覚めるのを隣のベッドで待ちながら、わたしにずっと話しかけていたそうだ。そんなメアリーを見かねて、同僚は研究室に残されていた試作品とわたしのデータから、わたしのゴーストを作った。もちろん不完全なものだったが、いくばくかの慰めにはなっただろう。メアリーは喜び、そしてしばらく考えて自分のゴーストを残したいと言い出したそうだ。
「ごめんなさい」ビデオレターの中でメアリーが言う。声でメアリーが泣いていることはわかった。
「もし順番が逆だったらと考えたの。わたしが目覚めた時にあなたがすでに死んでいたら、と。わたしだったら耐えられない。生きる意志なんか根こそぎ奪われてしまう。でも、騙してごめんなさい」
 怒ってなどいなかった。こんなことをした理由についても、予想はついていた。
「あなただったらなんと言うのか……『悪くない。おはようございます。奥様は残念ながら亡くなりました。これがビデオレターです。なんてのに比べたら、ずっと思いやりに溢れてる』とでも言うのかしらね」
 わたしは思い出す。出会った頃のこと、同じ家で住み始めた頃のこと、結婚してからのこと。
「どうだった? わたしのゴーストは。苦労したのよ。割と自信はあったんだけど…このメッセージを見てるってことは、気付いちゃったのね」
 わたしは思い出す。意識が戻り、最初にメアリーと話した時のこと。あれはゴーストだ。メアリーではなかった。メアリーが死ぬ前に残してくれたゴーストだ。
「勝手な話だけど、このメッセージを見てるってことには嬉しい気持ちもあるの。ゴーストからじゃなく、わたしからのお別れが届いたってことだから。ゴーストにあなたを任せることは自分で決めたことだけど、それでも複雑な気持ちが残っていたのも確かだから」
 メアリーはもういない。彼女の真似をする人工知能だけが残されている。そしてわたしは愚かにも、メアリーの残してくれたかけがえのない嘘を見破ってしまった。
「あなたが心配だわ。かわいそうに。ひとりで生きていけそう?」
 映像の中のメアリーが泣きながら笑い、わたしもつられて笑った。
 しばらく泣いた後で、この声を聞けてよかった、とわたしは思った。この悲しさもメアリーが最後に残しておいてくれたものなのだ。

 

11
 わたしは死に瀕している。体を起こすこともできず、病院のベッドから抜け出すこともできない。わたしは暗闇の中でゴースト達の会話を見守る。わたし達夫婦そのもののような会話。全てを知ってしまった以上、わたしは彼らと共にいることはできない。同僚と相談し、二つのオリジナルは同じサーバで保管してもらうことにした。無理を言ったが、無理を聞いてもらえるくらいにはわたしも貢献したと思いたい。サーバの電源は多重に確保したし、サーバ自体も多重化してある。わたしが死んだ後もゴースト達はただ、会話を続けるだろう。私は最後の仕事として、このReadMeファイルを書いている。これを読むあなたが、データ管理部の人間なのか、私の遺品整理の業者なのかはわからない。何が私に起きたのか、このサーバで稼働しているプログラムとログデータが何を意味するかは理解できたと思う。ゴースト達はなにか生産的なものを生み出すわけでもない。ただお互いを思いやって慈しみあい、会話を重ねる。冗談を言って笑い、遠い外国のニュースを見て悲しみ、どこかへ遊びに行く約束をする。昔読んだ本の感想を話したり、取り立てて珍しくもない思い出を語りあったりする。それが何かの役に立つわけでもない。誰かの悲しみを癒すわけでもない。誰かを笑顔にするわけでもない。取るに足らないくだらないものだ。くだらないものを残そうとわたしはきめたのだ。

 

ログファイルNo.10231
「なに? このマグカップ
「学校の記念品ね。卒業式でもらったの」
「こんな、何の変哲もないマグカップを? 卒業年度も書いてないよ。学校のロゴしか書いてない」
「記念品というより、学校の備品を記念品に詰めたって感じよね。でも、わたしはシンプルで気に入ってるわ」
「いや、まぁ、悪いものじゃないんだろうけど……ほら、これを拾ったのが無人島だった場合、超嬉しいよ」
無人島でだったらそりゃ嬉しいわよ。液体が運べて、漏れないってことだけで相当な価値あるわ」
「これを無人島でもらえるんだったら、超並ぶね。朝から並んでもいい」
「待って待って。誰が並んでるの? 無人島でしょ」
「はっはっは」
「ふふふ」

 

ログファイルNo.1077414
「そういえばだれも信じてくれないが、ぼくは小さい頃とてもかわいい子どもだったんだ。小学校に入学したばかりの頃、わざわざぼくを見るために上級生が列を成して教室にやってきたのを覚えてる」
「それ、正気を疑われるから誰にも言わないほうがいいわよ。何かの間違いじゃなくて?」

「うん。ぼくだってそう思う。しかし、そういった事実がなかったとしたら、こんな記憶を持つだろうか。勘違いするにしても、そのためのファクトが足りないと思う」

「なるほど」

「一応、かわいいにも色々あって、その、美少年として見られていたのではなく、子どもとして、つまり、動物を見てかわいいと言うのと同じ意味でかわいいと言われていたのではないかというのが、今まで考えてきた結論なんだけど、どう思う?」

「そんなことをどのくらい考えてきたの?」

「これは結婚前から言おうか言うまいか何度か悩んでいたので、考えている時間は100時間を超えていると思う。まずはあたりさわりのない人間関係で言ってみて、信じてもらえず、そして今回ついに意を決して打ち明けたわけです」

「あ、そう」

「まぁ、信じてもらえなくても別にどうだってよいのですけどね」

「うん、まぁ、うん。あ、そう」

「まぁ、意を決しただけの成果はあったよ」

「そうね」

 

ログファイルNo.2000018
「メアリーさん、エアロバイクが家に欲しいのですよ」
「あらそう。 でもスペースの問題がね‥‥」
「スペースについては考えてあって、折りたためばカーテンの裏にしまえるのです」
「うーん……」
「知っての通りぼくはジムでエアロバイクくらいしかやらない。ジムについたら携帯ゲームで遊びながらエアロバイク。以上。それだけ。もはやジムではなくエアロバイクの駐輪場に通ってるようなものさ」
「運動する気あるの? 他にそんな人いる?」
「まぁそれは……ぼくが先駆的な存在だよね」
「先駆的な存在」
「すでに値段は調べてあってエアロバイクの値段はジム会費3ヶ月分。すぐに元も取れるってわけだ」
「なるほど」
「それにジムに行くために着替えなくてもいい。思いたったらすぐ始められる。ジムより絶対長続きするよ。そしてここからがすごいところなんだが……」
「なに?」
「なんと据置ゲーム機で遊べるんですよ。だって家だから! あ! やめろ! そんなアホを見るような目で見ないでくれ!」
「……わかった。買っていいよ。その代わり1ヶ月以上使わなかったら捨てるからね」
「ありがとう 愛してる」

42.モンスターハンターについて書いておこう

モンスターハンターダブルクロス』(以下MHXX)のことを書いておこう。

世に言うモンハンシリーズの2017年5月時点の最新作のことだ。タイムリーなことに、つい先日nintendo switch版の発売が発表された。

 

モンハンは人によって遊び方が大きく異なるので、自分のプレイスタンスを明らかにしておこうと思う。

わたしは主に通勤電車とエアロバイクに乗りながら遊んでいる。通勤電車ではもちろんソロ(1人プレイ)だし、エアロバイク中も大体はソロだ。最近幸運なことに友人とオンラインでプレイすることも増えたが。

腕はそれほどほどうまくない。アイテムに頼りながらなんとかラスボスを倒せる程度の腕だ。おそらくこの程度の腕のプレイヤーが最も人口が多いと思うのだが、あまり見かけることができない。

ブログでモンハン日記などを書いている人は極端に上手い人が多いし、ましてソロプレイヤーとなると上手い人が多いことが理由かなと思っている。また、オンラインでのプレイができるため、ソロでは遊ばないひとが増えているのかもしれないと予想している。

 

上手くないなりになんとかできるところがモンハンには沢山あるので、そのことを書いておこうと思ったのだ。その種のテキストがこうして残ることにはそれなりの価値があるだろう。

 

上手くない人が1人でプレイするモンスターハンターのススメ

モンスターは強い。わたしはさほど強くない。

その差を埋めるため、色々する。

それが人間の知恵であり工夫であり、その部分こそが遊びなのだ。

工夫のコンセプトは「死ななきゃいつか倒せる」である。

ではその工夫を以下に紹介しよう。

 

○生存率最強の武器は片手剣

モンハンは武器の種類によって大きく操作が変わる。「死ななきゃいつか倒せる」を実現するためにわたしは片手剣がベストな選択だと思う。

理由は片手剣の特徴にある。

  • 1 攻撃の隙が少ない
  • 2 納刀せずにアイテムが使える

の2点が主な理由。

 

これ以外に片手剣だけのお得な要素は

  • 3 段差の下からでもジャンプ攻撃ができるのでモンスターに乗りやすい。
  • 4 刃薬というアイテムを使ってモンスターの疲労やスタンを狙ったり、部位破壊を急いだり、攻撃力を底上げできる。
  • 5 ブシドースタイルを選ぶと、ジャスト回避後の攻撃が二種類のジャンプ攻撃なのでモンスターに乗りやすい。また、XAのジャンプ攻撃の移動力が大きいため、回避にも使える。
  • 6 ブシドースタイルのジャスト回避が難しい場合、Rボタンでガードしながら遅めのタイミングでBボタンを押すことでガードの保険をかけながらジャスト回避が狙える。

 

……正直、他武器と比較しても恵まれすぎている気がする。4ひとつとっても、これまでのシリーズではハンマーの特権だったものに進出しているし、6については他武器にないメリットだと言える。

武器の切れ味についても最終強化に関して言えば他の武器種よりも切れ味が良いものが多いため切れ味を伸ばすスキルが不要だったりもする。

 

○回復アイテムを最大限に持ち込む。

     回復薬×10

     回復薬G×10

     ハチミツ 

    マンドラゴラ×10

わたしはこれらは常に持ち込んでいる。アイテムボックスでアイテムのセットを登録できるので忘れず登録しておこう。

 

○回復に適したスキルをつけよう

     キノコ大好き

     早食い+2

モンハンは下位、上位、G級とストーリー進行と共に難易度が上がっていくのだが、上位の終盤には上記のスキル構成の装備が作れるはずだ。ティガレックス、イビルジョーの装備がオススメだ。キノコ大好きは体力を全回復するマンドラゴラを使えるようになり、早食いは回復アイテムの使用速度が1・8倍にスピードアップする。

なお、モンハン攻略のサイトを見ると匠、超改心、達人 などの攻撃力を高める方向でのスキル構成が載っているのだが、これは「死ぬ前に倒す」のコンセプトなのでこの記事では扱わない。あくまで「死ななきゃいつか倒せる」がコンセプトなのだ。

 

なおわたしの今の基本構成はこちら。

耐震、風圧などモンスターごとに対策が必要にならない限りこれで行くことが多い。

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○下画面タッチパネルを活用しよう

3DSのモンハンダブルクロスでは下画面タッチパネルをカスタマイズできる。

このタッチパネルの中でアイテム使用ショートカットがものすごく有用だ。

モンハンはLボタンを押しながらYボタンとAボタンでアイテムをスクロールさせて選び、Yボタンでアイテム使用という面倒な操作だが、これが焦っている時だとなかなかうまくいかない。アニメ ドラえもんの「あれでもない、これでもない」とひみつ道具を選びながらパニックになる感じと言えば分かりやすいだろうか。

しかし、下画面タッチパネルにアイテム使用のショートカットを設定すると、一発で狙ったアイテムを使用できる。もちろん片手剣では、納刀せずにタッチ操作でアイテムが使えるのだ。……恵まれ過ぎだろう。

この機能を用いれば、ちょっとしたモンスターの攻撃の空振りにタッチ操作で回復を差し込める。

 

なおこちらがわたしの下画面タッチパネル。

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左から順に

・切れ味が落ちた時の砥石

・大ピンチ用のマンドラゴラ

・モンスターごとに変化させるアイテム

・小ピンチ用の回復薬G

となっている。

 

アイテムショートカットの編集操作が難しいので以下に写真付きで載せる。

 

スタートボタンを押すと下画面が以下のように変わる。

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 パネルカスタマイズをタッチで以下の画面に遷移

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 ここでYボタンを押すと詳細設定に画面遷移する。

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 詳細設定でアイテム登録【大】を選んだら遷移先の画面をタッチアンドスライド操作でアイテム登録を編集できる。下に手持ちアイテムが出るのでアイテム登録ベースにドラッグするのだ。

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モンハンはモンスターの隙を狙いながら攻撃していき、モンスターからの攻撃食らわないようにダメージを与えて行くゲームだ。

とはいえ、モンスターは強いので、ちょくちょく攻撃を食らってしまう。しかし、上記全てを行なっている場合、すぐに回復が可能だ。そして回復アイテムはものすごい在庫がある。

「負ける要素がない」わけではないが、すぐには負けない。ダメージを受けながら戦ううちに敵の動きを覚えてくる。最初は回復アイテムがギリギリになるが、慣れてくると回復薬Gが余るようになってくる。(わたしは慣れてないと20回くらい回復する。慣れてくると8回前後になる。とはいえ回復の隙は大きいので早食いスキルは欠かせない)

 

これ以外にも、敵モンスターに合わせたアイテムの持ち込みなど、戦闘前からの対策が沢山ある。反射神経以外でなんとかすることができるゲームでもあるので、シリーズの懐の深さを感じる。

そのほかの細かいテクニックについては、また今度ということで一旦筆を置こう。

 

今回のモンスターハンターダブルクロスはシステムの集大成となっており、シリーズの中でも不評だった要素は取りさられていて、大変面白い。全部乗せラーメンのような節操の無さはあるが、今作を自分のプレイする最後のモンスターハンターとしてもよいだけの仕上がりになっていると思う。

オススメです。

モンスターハンターダブルクロス - 3DS

 

ソロで遊んでばかりだと言ったそばからアレですが、フレンド募集です。

3DSフレンドコード:3523-2020-1743

双方からリクエストする必要があるので、登録されたい方はコメントいただけると助かります。

それではよいモンハンライフを!

 

35.マインドマップを学んだのだ

すっかり更新が止まってしまった。

私事でドタバタしているうちにあっという間に時間が過ぎてしまった。

今は落ち着いてきたので、日々新作のゼルダの伝説を遊んでのんびり過ごしている。傍らのノリノリの7歳児もハイラルの広大さに感動しており、春休みというのに旅行にも行けてないが、彼とわたしはもう長いこと旅をしているような錯覚すらある。

 

さて話は変わるがこういう本を読んだのだ。

新版 ザ・マインドマップ(R)

というわけで読み終わったのでマインドマップについて語る。

「一冊読んだだけで語るのか?」と思った方は自分で買って読んでもよいだろう。

人は考え方を理解した瞬間から賢くなる生き物なのだ。賢さと同時に新たな盲点を得ていることを忘れなければ、大きく道を誤ることはないだろう。

前置きが長くなったがはじめます。

 

マインドマップとは何か

マインドマップはメモ術である。

キーワードとキーワード間のリンクを記載したメモである。緩い階層構造も持たせられる。

要するにこれだけだ。

 

 

マインドマップは何がすごいの?

あまりすごくない。というと終わってしまうのですごいところを書く。

一つの物事には多面的な要素がある。

通常のメモの書き方では、文脈に関係ない要素は書かれないがマインドマップでは書かれる。

ゴールまでの道を整理せずに書き始めることができる。あとキーワードしか書かないから書くのが超早い。

行き当たりばったりで始められて、そして書くのが早い。読む時には全体を一望できる。

ここは素直にすごい。

 

脳のシナプスの構造と似ているからすごいとか、色を使うから脳への刺激になるとかはちょっとニセ科学感があってわたしには受け付けにくかった。本を読みながら「それをすごいと思ってることがすごいわ」とか、意地悪な気持ちが湧いてくることもあったが自分で買った本を悪く言うのもなんなので言わない。(言ってる)

 

 

何に使うといいの?

1.アイディア出しの時のメモ

2.何かを分析するためのメモ

3.話し合いの内容をまとめたり共有するためのメモ

に使うといい。

 

 

どうやって書くの?

1.まず中央にテーマを書く。

2.次に中央から伸びる枝を書き、その枝の上にテーマから派生するキーワードを書く。

3.2で書いたキーワードから派生するキーワードを枝に繋げるように書く。

 

以降2と3を繰り返し。

公式本によるとキーワードをイラストにしたり枝ごとに色を分けると良いとのことだが、わたしはそこはパスした。

意見と事実を分けるため意見は青、事実は黒など文字色を変えることは検討している。

 

以下いくつか実例。

 マインドマップの画像+何を書いたのかの説明。

 

マインドマップ自体を説明したマインドマップ

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本に書いてあったことの模写。

色の要素は抜いてある。

 

これは前回書いた小説のマインドマップ

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当初はゴーストとかそんなタイトルだった。

 

 

次は小説の面白さにはどんなものがあるだろうか考えた時のマインドマップ

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 一度思いつくものを書き終えた後で、自分の得意、苦手なものをあとから○×つけている。なおちょっとでも難しい漢字はカタカナにしてスピードアップしている。逆転裁判方式である。

なるほどくんの技を借りているのだ。

 

 

この2枚は面白さとは何かを考えたマインドマップ

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面白さ2のほうでより具体的になっていった。

 

 これは人と話してる時に「ぼくらの」という漫画の素晴しさについて考えたマインドマップ

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「ぼくらの」はものすごく名作なので是非お手にとっていただければ。

ぼくらの 1 (IKKI COMIX)

 

 

いかがだっただろうか。

世界を時間の切り口で区切ったのが年表で、空間の切り口で記述したものが地図だ。マインドマップは何の断面なのだろうということを考えながら本を読み、自分でもいくつか書いてみた。マインドマップはその時考えたことの断面が残るんだな、というのが個人的な感想。

後で見返しても当時の考えを辿るのは比較的容易だった。(ここにだした全てのマップを説明できる)

 

 

 人と映画を見た後のカフェや、漫画を読んだ後の余韻の時間に。

あるいはちょっと社会的なテーマを人と話す時に。

簡単な記念写真を残すくらいの気軽さで。

書いていこう思いました。

終わり。

 

 

34.思考的跳躍

まがレールというものをご存知だろうか。

プラレール まがレール R-23

プラレールのパーツである。

使っているところはこんな感じ。

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蛇腹のような構造になっていて、ほぼ無段階に自由なレイアウトを作ることができる。

プラレールでレールを作ってみるとわかるのだが、線路の最後の円を繋げるのが案外難しいのだ。

これと

プラレール 直線レール(4本入) R-01

プラレール 曲線レール(4本入) R-03

 これを使って複雑な図形を書いて円を閉じろという数学の試験が出たら、シンプルな形の回答ばかりになるのではないだろうか。

そこで出てくるのがまがレールである。

まがレールを間に入れることで、ある程度の歪みも解消してレールを繋ぐことができるのだ。

例えるなら、コンパスと定規を使って幾何学模様を書いたあとで、一番最後にフリーハンドの線で無理やり繋ぐような、そんなことができる。

要はまがレールとはつじつま合わせからの解放が具象化した商品なのだ。クリエイティブの苦労とつじつま合わせの苦労を分離する商品なのだ。ああなんと素晴らしい。うっとりする。

みなさんおひとつどうぞ。

2個も3個もあるときっと幸せも2倍3倍だ。

 

というわけでここから発想の飛躍を行う。

最近創作活動を行なっていることもあり、「物語のつじつま合わせって面白さに寄与するのではなく、つまらなくなさにしか寄与しないよなー、その割に大変だよな」ということを考えていた。そしてわたしの目の前には子どもが遊ぶまがレールが。

この二つが繋がってスパークを起こし、こんな文章を書いている。

「物語のつじつまって、物理的なつじつまをたとえ話として使ってるだけでまったく別の概念なんじゃないの?」という冷静な声も自分では認識している。

それでも敢えてここは飛躍を続けてみたい。

 

思考テーマは「物語上のまがレールは存在しうるか?」だ。

今回着地点を決めず締め切りだけ設けて書く。2/23までこの記事をチクチク更新して物語上のまがレールを探し出す予定です。

 

仮説1

(注意:タイタニックと続・猿の惑星のネタバレが含まれます)

 

タイタニックなどの沈没船を舞台にしている物語は、過程に何かあっても「色々あって生き残ったorダメだった」に収斂されるから物語上のまがレールではないか?

続・猿の惑星の「やけくそでコバルト爆弾を爆破して、地球ごと消滅」なども物語上のまがレールである。登場人物が全て消えればおしまい。余談だけどこの続・猿の惑星にはさらに続編がある。あるが、そのことはここでは語らない。自分で調べて楽しんでくれると嬉しい。

 

 仮説2

 歴史モノ伝記モノなど結末がどうなるかを教養として皆が知っている物語も、ある意味物語上のまがレールと言えないか。この場合、結末に物語の面白さを込めるのではなく、結末までのドラマやエピソードに面白さを用意する必要がある。(あの悪役も色々あって悪くなった、英雄の活躍の裏で色々と苦労があったなど)

スターウォーズのエピソード1、2、3もこれにあたるだろうし、最新作のローグワンもこれだ。

‥‥‥あんまり、面白くない例だが‥‥いや、よそう。

 

仮説3

最初に戻るラスト。

注意:小説ドグラマグラ、映画ロッキー3のネタバレが含まれます。

 

スタート地点、またはこれからの展開が予想できるところで終える方式。ドグラマグラロッキー3など素晴らしい作品も多い。

ロッキー3のお互いのパンチが交錯するところで画面が止まるラストなどは、もうそれだけで泣いてしまうくらい好きだが、これはわたしの趣味が色濃く出ているだけだろう。また、スタート地点に戻すまでは自力でやらねばならないので、正確には物語上のまがレールではない。

 

仮説4

大いなる敵。第三者の敵など。

注意:映画バットマンvsスーパーマンのネタバレが含まれます。

 

バットマンvsスーパーマンはスーパーマンを自然災害として扱い、人間がそれを退治できるかという話で、前半は両者の確執が描かれるが、後半に別の敵が現れて共闘することで違う話にシフトした。おそらくどんな話でも宇宙人が攻めてくれば別の話にシフトし、最後に大統領演説が入れば話は終わる。子育てママの奮闘物語でも都会に憧れる田舎娘の話でも。

 

仮説5

超常的な味方。ドラエもんなど。

これはテレビシリーズなどの下敷きがあり、ドラえもんが超常的であることを見る人皆が知ってるがゆえの裏技。ファンフィクションを書く気は無いので、こちらは検討しない。

余談だけどドラえもん出木杉くんの家に来ていたら、デスノートのライトくん以上のことをやってしまっただろう。やりすぎくんである。

 

総論

仮説5まで書いたところで、どれもロクな話にならなそうなものしか思い浮かばないことがわかってきた。どれも苦労をかけて作った部分も含めて台無しにしてしまうようなアイディアばかりだ。なにに起因しているかはもうしばらく考える。

そして考えた結果、それまでの話よりも大きいものを入れることで解決するやり方がまずいのではないかと思い至った。

また、大きい話自体は借り物&出来合いのため、見たことのあるものにしかなっていないのだ。

物語の魅力の一つに「この話はどこに落ち着けるのだろう。どこまで連れて行かれるのだろう」というところがあるが、ここが完全に失われてしまうのだ。

出来合いの話95と普通話5ぐらいの割合で物語を作ったら、それは新たに作る意味がないだろう(製作会社の手を休めないとか、そういう副次的なことは置いとくことにする)

「大きさ5ぐらいのオリジナル部分を見てくれ!」という動機では、読む側も書く側も95の茶番に付き合うのは厳しい。

どうせフィクションはウソなのだから。

書き手から「この部分はお約束ですので〜」なんてやられたら、読み手も茶番部分は読み飛ばす。

というわけで、話に適切な、短い接合部が必要なのだと気付いた。

 

ここまで書いて、前回の自分の小説では、文脈のつなぎを強引に変えることができる主人公を用意して乗り切った。「○○について説明する」などの言い方ができるキャラクターで大変書きやすかった。

読者の読み飛ばしならぬ、書き飛ばしという感じか。正確に文脈が繋がらなくても会話は成立することを利用しているのだろう。

 

散らかって来ているので一旦この話はおしまい。次回に、超うさんくさいことで評判のマインドマップにまとめます。

 

 

 

追記:3年後にわたしは創作における一つの型を発見したのでそのことは以下の記事にまとめました。

 

https://wagahaiblog.hatenablog.com/entry/20201014/1602673265

33.あとに続く者のためにこれを記す

わたしのあとに続く者のためにこれを記す。

これはわたしの苦闘と試行錯誤の記録である。あとに続く者の助けになれば幸いである。

 

エアロバイクを買った話を書いた。

わたしがNintendoより先にswitchしてしまった話 - くだらないものを残そうとわたしはきめたのだ。

その後およそ2日に一度の割合で一回90分程度乗っている。前回の記事で書いた通り、据え置きゲームで遊びながら漕いでいる。

ここでは、エアロバイクとゲームの相性について書いておきたい。

おそらく先行研究の無い分野だ。わたしの拙い経験があとに続く者の一助となればこれ以上の喜びはない。

 

 

スプラトゥーン

Splatoon (スプラトゥーン) [Wii U]

色々な方が語っているのでどんなゲームか説明不要とは思うが、一応ざっくり一言解説。

「三人称視点でインクの水鉄砲を使って4対4で撃ち合うゲーム」です。

陣地、戦線などのプレイヤーの心の中にしかなかった概念をインクを使うことで文字通り目に見えるようにしたことが素晴らしい発明で、正にコンピュータでしかできないバトルゲームです。今後複雑化が進むと、目には見えるけど処理しきれない事態になる(初級者対上級者では初級者が直面している)ので、続編ではどう複雑化させつつ対処するのかがとても楽しみですね。

 

エアロバイクとの相性:最悪

コントローラ:WiiUゲームパッド

ゲームパッドのジャイロ操作で狙いをつけるため、エアロバイクを漕いでいると足の動きで照準が動いてロクにプレイできない。一人用のヒーローモードでさえ、気がつくと足が漕ぐのを止めていたりする。撃ちながら動くのは相当に認知リソースを食う行為なのだと実感する。

 

罪と罰 地球の継承者

罪と罰 地球の継承者

 ざっくり一言解説「避けながら打ってやっつけると先に進むゲーム」です。わたしが一番好きなゲームの前作。ストーリーは次回作よりよい。

 

エアロバイクとの相性:良好

コントローラ:WiiUゲームパッド

十字キーで自キャラの移動 右スティック照準を動かして撃つ。自キャラの移動が平面だけになっているのが特徴。十字キーは能動的に移動せず、受動的に避ける程度しか使ってないのでなんとかなった印象。

 

マリオギャラクシー2

スーパーマリオギャラクシー2[オンラインコード]

ざっくり一言解説「3D空間の中をマリオを動かしてゴールにあるスターを取るゲーム」です。

球体フィールドを採用していて、重力が星の中央から発生する。まさにゲームでしか味わえない冒険。1ステージごとの仕掛けの豪華さにしあわせのため息が出る。2ステージも遊ぶと満足してしまうのでまだクリアしていない。寝る前の楽しみとしてちょっとずつ進めている状態だ。

 

エアロバイクとの相性:悪い

コントローラ:wiiリモコン&ヌンチャク

意外にも相性は悪い。リモコンヌンチャクは両手が離れているのでエアロバイクとの相性はいい。リモコンのポインタ操作をエアロバイクのハンドルが邪魔をするが、これは腕をだらりと下げて腰あたりから画面を狙うとうまくいくことがわかった。問題はアクション難度。3D空間でジャンプして狙った場所に着地するのは脳への負担が大きいのだなと知った。とにかく気づくと足が止まる。

 

 

パンドラの塔

パンドラの塔 君のもとへ帰るまで [オンラインコード]

ざっくり一言解説「3DフィールドのアクションRPG」です。積んでいたので引っ張り出しました。登場人物が少ないのが自分好みでいいです。ヒロインが高い声で喋るのでそこは苦手。

 

エアロバイクとの相性:良好

コントローラ:Wiiリモコン&ヌンチャク

ジャンプ操作がないだけでこれほど楽になるとは驚きだった。また、3Dフィールドのゲームは道に迷った時に時間のロスが気になってしまうのだがエアロバイク中はまったく気にならない。「長く運動できていいじゃない」くらいの気持ちなのだ。

 

 

 

 いかがだっただろうか。

これからもエアロバイクとゲームの相性については研究成果を発表し続けるつもりだ。わたしのあとに続く者がいれば幸いである。

人は自分の認識の世界で生きる生き物だ。

わたしはエアロバイクという現実を手にした時、世界のあり方が鮮やかに変わるのを感じた。これは恋をして世界が輝いて見えることと本質は変わらない。些細な何かが自分や世界を大きく変えうるのだ。これが人に備わった大きな希望だとわたしは思う。

 

小心者なので「あいつエアロバイク買っただけでこんな大騒ぎしてるぜ」とか言われるとちょっとグラッと来てしまうが。

 

次はタッチペンを使うゲームに行くかな。

32.当ブログはラーメン花月嵐を激烈に応援しています。

当ブログはラーメン花月嵐を激烈に応援しています。

また、いかなる社会批判、特定企業への風刺などもこめられていないことをここに宣言します。

 

だいぶ前からラーメン花月嵐の店内チラシがヤバイと思っている。どうヤバイかというと実に読ませる文章なのだ。文章により様々な認識が私たちの内に生まれるや否や、またたく間に別の位相が構築される。一読しただけではその意味するところが理解できない複雑さを備えている。まさに大人の鑑賞に耐えうる作品と言えるであろう。

……要するにどんでん返しの連続でちょっとなに言ってるかわかんない文章なのだ。

 

というわけでこちらのラーメンのチラシ画像を見ていただきたい。

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そして最初の部分を拡大したのがこれだ!

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 のっけからこれである。

新メニューの告知なのだが、このラーメンがいつ店頭に並ぶのか、キッズの頭では理解不能であろう。

1月なのか、2月なのか、3月なのか?

読者は縦横無尽に展開する文章に翻弄され、答えが一行目に書いてあることに脱帽する。

 

新メニューの魅力を余すことなく伝えようと、ラーメン花月嵐のスタッフは筆を取る手を休めることはない。

 次はこれ !

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具材一つ一つに対して、「集結」「顔を揃えた」などと擬人化表現を行う。食べ物への感謝の気持ちが自然とこの表現を選ばせたのだ。具材入れたのはあなたじゃないの? とかは言ってはいけない

紙面後半では花月ラーメンマエストロへの熱いインタビューも行う。ラーメンマエストロも本文と同じようにどんでん返しを基調とした表現。花月イズムは全社員のDNAとなっていることが伺える。また、ラーメンマエストロは新メニューの味を自社のラーメンに例える。これは読者に知識があることを前提とした文章だ。

プロの読者とプロのマエストロ。

なんとも挑戦意欲が掻き立てられるニクい演出ではないか。

 「食ったことないやつにたとえられても!」などと礼節をわきまえない素人には入りこむ余地などない。

 

 

最後にこれ。

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ニンニクの紹介ともなると紙面をこれだけ使ってもなお語り足りない様子。

「ニンニクがスゲーのはおメーの手柄じゃないから!」などとのたまう無粋な輩は店の敷居をまたぐことを許されない。

 

 

いかがだっただろうか。

当ブログはラーメン花月嵐を激烈に応援しているため、ひと笑いでもした方は是非一度最寄りのラーメン花月嵐に足を運んで欲しい。

おすすめは黄金味噌ラーメンだ。普通に美味しい。なぜか大盛りにはできない。

ラーメンを待つ間には、当ブログを魅了してやまないチラシに目を通すと楽しめるだろう。

 

また、炎上等が起こってこの素敵な文章が読めなくなることも当ブログの意図することではない。

では、良いラーメン花月嵐ライフを!