19.オススメはしないけど今まで一番面白いと思った漫画について書くー3

今回で最終回。

私がどう読んだかについて語ります。

 

『ザ・ワールドイズマイン』

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン  全5巻 完結セット [コミックセット] (ビームコミックス)

この作品は群像劇のようなスタイルをとっています。各登場人物に強烈な背景があり、それぞれのキャラクタが状況に面した時に言いそうなセリフを言い、そのセリフがいちいち練られていて超カッコいい。また作者の癖として風刺の効いたギャグが多い。トシモンの襲撃に際し、嬉々としてカメラを担いで野次馬に来る高校生が「ピューリッツァー!」と言いながら、マシンガンの流れ弾をくらうシーンなどは、不謹慎ながら何回見ても笑ってしまう。

本作は出てくるキャラクタが本当に生き生きとしていて、いたるところで示唆に富むエピソードを読むことができます。最後のシーンに作者の主張が詰まっているのではなく、すべてのシーンに作者の主張が詰まっている。
物語に対して、何か人生の教訓とか生きる指針や、示唆、暗示、など 要は「物語以上のもの」を感じ取ろうとする人には、充分応えてくれる作品だと思います。同じような読まれ方をする本が他にもあって、それは聖書とか神話とか、そういうジャンルがそう。

というわけで、この作品のジャンルというか、わたしの評価は「毒の強い聖書」です。

一生モノで読んでいける作品。

 

(話はズレるが文系理系の分岐点が、この、「物語に物語以上のものを感じ取ろうとするところ」にあるのではないか、とわたしは思っている。

現実だけでは不十分なのだと感じているのか、現実しかないと覚悟を決めてるか、の違いだろうか。どちらが優れているとかはないし、どちらの要素一色というわけでもないだろうが)

 

最後に各主要キャラクターのわたしの感想を書こう。

 

トシ=惑う人。自分の外に答えを求める者。勇気が足りないと状況次第でここまで行ってしまう。気をつけよう。

 

モン=答えを持ってそうに見える者。作者が善良なため、種明かしをしてくれてよかった。

 

マリア=モンの復活も合わせて考えると、絶対的な承認の象徴。翻弄される人。

 

塩見=答えを出さない人。出さないことの災禍については責任を取らない。日本人。

 

ヒグマドン=神。理不尽。力。自然。コミュニケーション不可能な存在などの象徴。

 

SWAT隊長 薬師寺さん=現実主義者。現実が自分の想像の範囲を超えた場合、俺のせいじゃないし、と責任転嫁する。上司にしたい。

 

秋田県警本部長 須賀原さん=現実主義者。現実が自分の想像の範囲を超えた場合も責任を取る。尊い。上司にしたい。

 

マタギ 飯島さん=世の理の外で自活することに成功した人間。星野にいいとこ見せようとして死んだ。わたしはこういう死に方をしないように気をつけたい。

 

新聞記者 星野=物語を通じて子ども→オトナになりかけと変化する者。彼が主人公ではないので、成長途上で物語は終わる。

 

総理大臣ユリカン=オトナの象徴。オトナなので敵も多く、話のキモに関わる前に足を引っ張られて舞台から消える。

 

アメリカ大統領=USA! USA!

 

 

次回からまたゲームブログに戻ります。

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こちらはゲームボーイストリートファイター2春麗エンディング

 

18.オススメはしないけど今まで一番面白いと思った漫画について書くー2

前回のつづきです

 

 『ザ・ワールドイズマイン』

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン  全5巻 完結セット [コミックセット] (ビームコミックス)

 

3.[大館市ヒグマドン災禍編]

【あらすじ】

秋田県大館市にて、地中に埋めて隠しておいた爆弾を取りに来たトシモンは、マリアと再会する。

マリアのことを気にするモンにイラ立つトシ。マリアを人質にして同行することに。

ちょうどその頃、大館市にヒグマドンが来週。

ヒグマドンの体長は50メートル近くに巨大化していた。まるで怪獣映画のように大館市を破壊して回るヒグマドン。

その混乱の最中、トシモンはマリアの友人宅へと身をひそめる。マリアの友人 関谷じゅんこは都会に憧れ上京し、父親もわからぬまま妊娠し帰ってきて、マリアの説得により出産を決意し、子どもを育てていた。ただならぬ来客に怯える関谷。関谷親子を守るため、マリアはモンと二人きりで話をして、トシを排除しようと説得を開始する。

何も知らないイノセントなモンに、ウソや裏切りを教えることに煩悶するマリア。マリアの想いは通じ、モンへの説得は成功する。

タイミングが悪く、トシの父親と警察によるトシへの出頭呼びかけが始まる。テレビ中継でその様子を見たトシは関谷親子を殺害する。モンの説得が終わり、マリアが部屋に戻るとそこには関谷親子の死体が待っていた。一瞬にして髪が白くなり、失神するマリア。モンはトシを殴り、トシは気絶する。

失神したマリアを抱え、駅前まで歩くモン。

マリアが目をさますとモンは機関銃とマリアを抱え、踊るように駅前で人殺しをしていた。

モンは再び人殺しのできる体に戻ったのだ。

その後車に乗ったトシが合流し、山へと逃げるがついに青森県警の塩見巡査長の部隊に追いつかれる。

銃撃戦の末、マリアが警察の銃弾に倒れる。絶望したモンの目の前に、ヒグマドンが天から落下してきた。

 

 【感想】

モンに近い人はモンに好意的なのが、ちょっとご都合展開か。

マリア⇆モン←トシの三角関係が成立。

この時点ではかつて自分のチャットルームに来て気になっていたマリアと同一人物では?とトシは思っていたりもする。

章は戻って話もズレるが、この作品の90年代インターネット感はかなり的確で、顔も知らない人に自分の秘密や心情を吐露する一種の懺悔室のような様相がインターネットにはあったのだ。今はコテハン&顔写真になったので、深さが減って軽めの話題が増えたな、と思う。

わたしが好きな薬師寺さんと秋田県警の人はこの章でリタイアで残念。

 


4.[ヒグマドン捕獲後の世界編]

【あらすじ】

ヒグマドンの襲来により、トシの逮捕は成功したがモンには逃げられてしまう。

ヒグマドンは首都東京を目指し南下。自衛隊によるヒグマドン捕獲作戦が行われる。大変スペクタクルのあるシーン。

ヒグマドンは都内に入る寸前で捕獲完了。

トシの警察での事情聴取により、トシとモンの出会いが語られる。トシのチャットルームに来ていたマリアは、かつての同僚だった。トシは聴取中、自分のモンとの出会いやモンに感じた運命が、ただの思い込みであったことに気づいたが、時すでに遅く、日本各地にしかけた爆弾が爆発し、凄まじい数の被害者が出た。

その後アメリカからの要望により、ヒグマドンがハワイへと移送が開始される。移送中にヒグマドンが再度の巨大化を開始。空母を沈め、一種の島のようなサイズへと変わる。ヒグマドンの巨大化は世界的なパニックを引き起こし世界中の人々が想起した。

「今こそ使え 核兵器

事態に対しアメリカは核攻撃を実施。ヒグマドンの表面に一部焦げ跡をつけるだけにとどまるもヒグマドンの急成長は停止した。

その後核兵器についての世界の認識は、良い核とあまり良くない核というように変わる。これまでと変わらない日常へと世界は回帰しようとしていたが、人々の間で奇妙な言葉が流行り始める。

「抗うな。受け入れろ。すべてはつながっている」

ヒグマドンの襲来により警察から逃れたモンと彼のシンパが唱え始めた言葉だった。

世界中の反政府組織がモンを受け入れ、またモンを偶然捉えた若手芸術家がモンのつぶやく詩のようなものを作品化し、それがモンの目撃情報として世界中に報道される。

拡大するモンのシンパ。

世界中でテロが起こる。

テロに巻き込まれ、警察から奪還されるトシ。トシはトシモン事件の被害者たちに拉致され、惨殺される。テロが吹き荒れる中、ただ事件を忘れようと動く世間に反し、新聞記者星野はモンの出生を調べる。それはモンによって殺された飯島の弔いでもあった。

星野はモンの正体が、親から捨てられた子どもで、モンが思わせぶりにはいた言葉のすべては錯乱した哲学青年が少年時代のモンを拉致し、こき使っていた時に壁に語りかけるように説いた無意味な哲学の断片だったことを知る。

その後、アメリカの各地でモンのシンパが核兵器を乗っ取り、世界中に核の雨を降らせる。

人類の歴史が終わりを告げる頃、一つのロケットが遺体を乗せて飛んでいた。その遺体はモン。

彼の遺体はやがてどこかの惑星にたどり着き、遺体に付着したバクテリアから生命が芽吹く。

モンは生命の種となったのだ。

 

【感想】

 この編になると事態の進展が早く、個々人の意思よりはもはや現象となってしまって居るが見事に話を畳んだなぁと。

トシのモンとの出会いは、わたしが個人的に粗暴な人と付き合っていた時期もあって自分と重なるところもあり。そこで学んだのは何か起こりそうな人と付き合っても、特に何も起きないなということか。これは身に染みたので、以降自分の指針になっている。打算的な付き合いは、結果的になんにもならないですね。

 

作品全体のテーマは

「どいつもこいつもバカばっかりだ」

ということなんだと思います。

 

本当に一番面白いと思って読んだの?

とか言われそうなテーマのつかみ方ですけど。

でもそう書いてあるんだから仕方ないよね。

 

 

17.オススメはしないけど今まで一番面白いと思った漫画について書くー1

『ザ・ワールドイズマイン』

真説 ザ・ワールド・イズ・マイン  全5巻 完結セット [コミックセット] (ビームコミックス)

本当に面白い漫画だった。

ざっくり作品のテーマを書くと

「(作者が)俺の思う『世界』ってこんな感じだけど、お前らどう?」

という感じだろうか。

 

これについてはネタバレしつつ書かないと何も語れないので、ここからはネタバレしつつ書く。

 

というわけでここからは読んだことがある人向け。

ここでは本編を以下のように分ける。

1.[青森警察署襲撃編]

2.[襲撃犯逃避行編]

3.[大館市ヒグマドン災禍編]

4.[ヒグマドン捕獲後の世界編]

 

以下、各編のあらすじと感想。

 本来はあらすじと感想と読み込みを書くのがふさわしいのだろうけど、読み込みについては別の機会に。あらすじのまとめ方から読み取っていただければな、と。(そこ拾うんだ、とかね)

 

1.[青森警察署襲撃編]

【あらすじ】

トシとモンは、車に満載した消火器型爆弾を持って、日本縦断の旅をしていた。爆弾を日本の各所に仕掛けるたびに良心の呵責に苛まれるトシ。そんなトシの態度にイラつくモン。モンは一計を案じ、トシを青森警察に取り調べさせて自らの手で奪還する遊びを思いつく。つてを使い、重火器を手に入れて青森警察署を襲撃するモン。重火器の威力は圧倒的で、青森警察の被害は甚大。ついにトシの奪還に成功する。モンに救い出されたものの、警察署をSWATに囲まれたトシは、人質の警察官もモンに殺され、やぶれかぶれの要求を警察に通告する。

「人を殺してはいけない理由は何か?」

「人命の価値はどのくらいか?」

「差別と貧困がなく、全ての人が明るく楽しく過ごせる世界の実現」

 

話のワキを固める主要メンバもこの頃から登場。

人質の生死がわからず、突撃指示が出せない 塩見巡査長。

自分の出世と実利にしか興味のないSWAT隊長 薬師寺

犯人からの要求の答弁で紛糾する国会と、それを冷ややかに見つめる総理大臣 ユリカン。

事件が公になる前、つかの間モンとの間に絆を感じた少女 マリア。

 

【感想】

超越者然としたモンの発言。

それの裏付けのように振りかざされる暴力。

とにかく描写がすごい。ここまで描くか、というエグさもあるし、すれ違うだけのモブキャラには悪意を込めて一目でわかる性格付けがされてるのもすごい。田舎の旅館の内装とかもすごい。(ソファの背もたれになんかよくわからんレースの背当てとか乗ってて、確かにこういうとこにはこういうのがあるよな、と思う)

 

わたしは自由が好きなので、その意味で超越者の視点にはほとんど無条件に惹かれてしまうのですが、暴力を裏付けとして用いているのには嫌悪感があるし、こんなん不意打ちされたら簡単に覆っちゃうじゃん、という感想もあり。

とは言え、このモンの行動には目が離せないなと思いました。主張の全貌は知りたくなります。漫画だとカメラが近いけど安全が保障されているので。


2.[襲撃犯逃避行編]

【あらすじ】

 トシとモンの騒動と時を同じくして、常識では考えられないサイズのクマの目撃情報が寄せられていた。クマは小学校を襲い、凄惨な事件が起こる。事件は世間の耳目を集め(この事件に張り合うため、モンは青森警察署襲撃を行う)、クマはヒグマドンと広く認知される。ヒグマドンを追う新聞記者 星野とクマ退治の専門家 飯島のエピソードが静かに始まる。

 

 トシモンの青森警察署襲撃の際、巡査長塩見の対応が遅れたため、トシとモンは下水道への道を発見して警察の包囲から逃れることに成功していた。モンは逃走の際にトシに殺人を犯させる。その後雪山での逃避行中、トシが気を失っている時にモンはヒグマドンと遭遇する。すれ違いざまトシが殺される。圧倒的なヒグマドンの力に、モンはこの時初めて恐怖する。ヒグマドンの爪がモンをバラバラに引き裂いた時、気がつくとモンは山の中に立っていた。トシも生きていた。夢だったかどうかもわからないが、モンの心境に変化が訪れる。モンは人の痛みを想像できるようになっていた。モンの変化に後ろ盾を失ったような気分になるトシ。民家を襲い、身を潜めたあと報道によりトシの母が自殺したことを知る。激昂し衝動的に民家の住人を殺害するトシ。臆病だったトシにも変化が訪れる。

パソコンを使ってホームページを開設。世界をアジる。センセーションな事件の犯人からのメッセージを受け、社会は混乱しモンをカリスマと崇めるもの、殺してほしいやつのリストをアップロードする人なども現れる。事態を重く見た総理大臣ユリカンは、人を殺してはいけない理由と、人は人を殺していい世界を望むのかどうかと説明するテレビ番組を作成する。

 

【感想】

トシの母親のシーンはかなりの分量を使って描かれており、ものすごく悲惨としか言えない。実際にISに参加した若者の家族も似たようなものではないだろうかと想像される。リアリティを持って痛い描写、辛い描写が続くが、絵は被害者目線というかスカッと爽快な暴力描写ではなく、痛くてじめじめしてみじめな描写が続くのには、作者の強い倫理観を感じる。

いわゆるタメのシーンのため、襲撃の後始末というか、こうしたらこうなるよなというところをとにかく克明に書いている。うわーここまで描くかーという感じ。

 

一旦ここまで。

需要があるかどうかもわからなくなってきたので一旦放出。

残り2編はまた今度。

 

3.[大館市ヒグマドン災禍編]
4.[ヒグマドン捕獲後の世界編]

 

 

 

 

 

 

 

 

16.Kinectのゲームについて

今回もキネさん(しつこい)の話題だが、Kinectさんの話題である。

 

たしかKinectキャッチコピーの一つが

「コントローラのないゲーム!」

であった。

しかしわたしはコントローラが好きなのだ。

ボタンなど意味なくカチカチ押したり、画面のエフェクトに合わせてリズミカルに押してしまうものなのだ。なお、アナログスティックは壊れてしまうと悲しいので、グルグルは控えている。こう見えてわたしも大人の慎みも心得ているのだ。

 

なので、コントローラがないことは、わたしに対してキャッチーなコピーではないのだ。が、わたしはxbox360キネクトを持っています。要は自分の好奇心を抑えきれなかったのです。

でも買ってよかった。値段分以上の価値はあった。とても面白い体験だった。

最初に遊んだゲームをざっくり解説する。

Kinect:ディズニーランドアドベンチャー

アメリカ、アナハイムのディズニーランドを舞台にしたオープンワールドゲームで、ミッキー達と会話したり、アトラクションにも入れる」

と、コンセプトの時点で超面白そう。

ポケモンgowiiクラスのヒットとなってもまったく不思議ではない可能性を秘めたゲームなのだ。

肝心のゲーム内容も、ピーターパンのロンドンの夜空を飛ぶシーンなどは素晴らしい。ランド内を歩いていても、こんな細かいところまで作ってあるのかと感心することしきりである。アトラクションの数も豊富。日本のディズニーランドが混んでいることもあり、実際に行くよりも短時間で多くのアトラクションを体験できるのではないか。

 

また、オープンワールドゲームらしく、ファストトラベルにも対応。エリアを指定して瞬時に移動することもできる。現実のパークでは移動時間がばかにならないので、ゲームならではの楽チンさと言える。なおファストトラベルの起動は音声である。

XBOX!」

「今すぐ移動! 」

クリッターカントリー!」

など全てはっきりした音声で淀みなく言うのだ。ロボットアニメの主人公感も味わえる。思ってもいないめっけものである。

 

このようにゲームのお約束も忘れず、パーク内の再現度も非常に高いこのゲーム、大変おすすめです。

しかし!

 

しかしの先はここには書かない。

だが、我々は現実に、このゲームが圧倒的なムーブメントを起こさなかった未来に生きている。ここで何かが起きたのだ。そう思ってパーク内を見渡した時、賑やかなパレードが物悲しく聞こえ、極彩色の世界が色を失う瞬間がある。

パーク内で何が起こったのか、それは自分の目で確かめて欲しい。

 

ところで、Kinectのゲームでは起動時に自分のセーブデータと紐付けを顔認証で行うのだが、かなりの確率で認証できない。

機械に「あれ? 太った?」とか言われてる気分で悲しい。

悲しいがわたしは場の空気を大切にする素晴らしい大人なので、毎回認証できないたびに「髪型変えたからわかんなくなっちゃったな、うっかりさんめ」と言いながらセーブデータを選んでいる。

 

収録エリア

1. メインストリートUSA
2. ファンタジーランド
3. トゥモローランド
4. クリッターカントリー
5. アドベンチャーランド
6. ニューオーリンズ・スクエア
7. フロンティアランド
8. トゥーンタウン

 

アトラクション一覧

1. カリブの海賊
2. ピクシー・ホロウ
3. 魅惑のチキルーム
4. ジャングルクルーズ
5. ホーンテッドマンション
6. ピーターパン空の旅
7. 不思議の国のアリス
8. スペースマウンテン
9. ビッグサンダーマウンテン
10. スプラッシュマウンテン
11. プーさんの冒険
12. イッツ・ア・スモールワールド
13. マッターホーン・ボブスレー
14. バズ・ライトイヤーアストロブラスター
15. ファインディング・ニモのサブマリン探検

  

15.最近読んだ本について書く

8/24 無職さんについて追記

 

最近読んで面白かった本について書くのだ。

『木根さんの一人でキネマ』1-2巻 以下続刊

木根さんの1人でキネマ 1 (ジェッツコミックス)

木根さんの1人でキネマ 2 (ヤングアニマルコミックス)

大変親しい人から、主人公がわたしにそっくりと言われたので、以後、わたしのビジュアルを想像する時はキネさんでお願いします。(かつてこれほどずうずうしいお願いがあっただろうか)

 

 内容をざっくり一言解説すると「好きなことを好きだという姿は面白く好ましい」ということになるだろう。映画に詳しくない人も楽しく読めるし、なんならその映画を見たくなってくる。ほら、あなたはゲームでそーゆーことをしているブログに心あたりがあるのではないか? つまりそうあれですよ。ある意味わたしがキネさんですよ。  (氏ネさん!とか言わないで欲しい)

歳も近いし可愛いし。(まだ言うか)

でも、わたしはメガネではないのだが。

 

http://www.younganimal-densi.com/ttop?id=41

電子版で最初の数話と最新話が読める。

気になったら是非。

 

 

『34歳 無職さん』1-8巻 (完結)

34歳無職さん 1<34歳無職さん> (コミックフラッパー)

34歳無職さん (8) (MFコミックス フラッパーシリーズ)

このたび完結した。

のでこの記事を書こうと思ったのです。

 

内容をざっくり一言で解決すると

「死ななければ生きている」ということなのかな、と。

無職さんは人生を一度自分で壊してしまった人なのだ。無職さんの再生の物語ではあるが、無職さんが壊してしまったものは、元には戻らない。(戻ることを描いたお話だったら、このテーマで描いてはいけない)失ったものの得難さと、それでもまだ残っているものが描かれている。

つらいお話だった。あたたかいものを捨てるのだ。つらくないはずがない。

壊してしまいたくなる衝動や逃げ出したくなる衝動というのは割と色んな人にあるもので、壊した後の人生について書いてあるのは貴重ではないか、と思って読んだ。

あと旦那がやなやつでやだった(語彙が貧弱)

夫婦は一緒にオロオロしたり、冷静に助け合ったりしたいなと、我が身を振り返って思うのであった。

 

 

 8/24 追記

無職さんは「ちゃんとした大人」という概念にとらわれて体調を崩したのだと思ったことを思い出した。「ちゃんとした大人」がどんなものかは作中では言葉では示されないが、「ちゃんとした大人の踊り」など、茶化した形ではあるが無職さんが無職中もその概念にとらわれていることを示し続けている。「ちゃんとしなくたってやることやってりゃいいんだ」ということを何かのエピソードで描くのかなと思ったら、そうせずに終わってしまった。

なんでも教条的である必要はないけど、わたしが作者だったらそっちを書いただろう。

でもこの形がエールになる人もいるし、「やることやってりゃ」の部分を書くと「そんなの運じゃん」とか色々感情移入できなくなる人もいるだろうし。

 

残酷な話だけど、綺麗なカッコしてつつがなく娘の誕生日を祝うよりも、大事なことはあったと思う。娘の普段の生活からお母さんがいなくなるのだ。幸せなエンディングなんて用意してる場合じゃないだろと、わたしはやっぱり思ってしまうのだ。

 

 

 

『恋々蓮歩の演習』  

恋恋蓮歩の演習 A Sea of Deceits Vシリーズ (講談社文庫)

シリーズ作の1つを持ってくるのが紹介する気ないだろ感あるが、最近船に乗ったので船で読み、帰ってきてからも読んでようやく読み終わったのだ。

恋愛ものっていまいち感情移入が難しいというか、読者側から迎えに行くように読まないといけないところがあってそういうのが苦手なのですが(「どうしてコイツに惚れるわけ?」とか「え、おまえそんなに‥‥まだ40ページしか会ってないじゃん。そんなに喋ってもないし。何? 見た目の問題?」 とかが頭から離れないわけです)

でも、この作品はいいです。あぁこれは惚れるわーって。大人の男性の包容力ってこういうことを言うのか、と。人から漏れ聞く大人の男性の魅力って、世界を救わないトニースタークみたいな話ばかりなので、なるほどな、と。

ブログが少し硬い文体になったのも、これを読んでいたせいだと断言できます。(すぐ影響受けてしまう)

ざっくり一言で言うと「豪華客船で事件があったのだった」というお話なのですけどね。

シリーズの中の一つですが、一作で完結するし、キャラクタの関係も読んでればわかるしで、オススメです。

 

 

14.ともだちと遊んだのだ

いつとは言わないが、ともだちを家に招いてゲームで遊んだのだ。大人が集まり、テレビを囲んでゲームをしたのだ。

No海、NoBBQ、Noアルコールである。(アルコールくらいはあってもよかったのではないか、と思わないこともない。あと別に海もBBQも嫌いではないので誰か誘ってください)

 

はじめましての人も、そうではない人もコントローラーを握り、わたしはひたすらきゃっきゃとはしゃいでは色んなゲームで遊んだのだ。わたしのはしゃぎようと言えば、コーヒーにアイスを入れてウィンナーコーヒーにすることも忘れるほどの体たらくであった。

きっとわたしが中世の貴族であったならば、くだらないコレクションを集めては人に自慢になっていない自慢をし、一代で財産を潰してしまったろう。(余談ですが、この貴族ポジションは、自分で作ったわけでもないものを自慢して見せびらかしたり、何かについて凄腕である必要もないので、幸せなポジションだと思っています。あと他人に見せて喜ぶところは興味深い。無償の奉仕とかそういう尊い気持ちじゃなく、「すごかろうわっはっは」みたいな自慢したいだけ感がいいなと思っています。「他人の芝生は青い」のように他人からの認識は偉い、みたいな卑屈さがあるのかもしれませんが、それだってカッコよく言うと「人は、誰かの希望そのものなんだ」とか、そんな言い方できちゃうし、まぁいいじゃないですか。)

 

コミュニケーションにおいて、わたしは性別、老若を問わず同じボールしか投げられないので、このような機会を得たのはまさに奇跡的と言える。人生ではこのようなことがたまに起こるのだ。人によってはちょくちょく起こるのだろう。羨ましいが仕方あるまい。

 

何をやったのかは過去記事を参照頂いて、あとは想像で補って頂ければと。

(オフレポの常識を覆していくスタイル)

 と、思ったが備忘のためソフトだけ羅列する。

 

マリオパーティ10 amiiboパーティモード

nintendo land どうぶつの森キャンディーまつり

nintendo land ルイージのゴーストマンション

nintendo land マリオチェイス

nintendo land ピクミンアドベンチャー

ドンキーコングジャングルビート

スーパーマリオ3Dワールド

レイマンレジェンド

  

 

いやー楽しかった。

また遊びたい。 

13.みんなで遊ぶゲームについて3

今回は厳密にはみんなで遊ぶゲームではない。ないが、みんなで遊ぶとゲームの性質が変わるゲームについて紹介しよう。

 

New スーパーマリオブラザーズWii

New スーパーマリオブラザーズ Wii (通常版)

New スーパーマリオブラザーズU』

New スーパールイージ U

New スーパーマリオブラザーズ U

New スーパールイージ U

説明不要の横スクロールマリオ多人数版である。

多人数で遊ぶと、序盤ステージでは難易度が逆に上昇する。ダッシュの際にはぶつかり、ジャンプの際には踏みつけあい、スクロールには振り回され、みんなで押し合いへし合いした結果、アイテムの奪い合いが始まったりする。ははぁ、今回はマリオを対戦ゲームとして遊んでるんだよみたいな話ですか、と思って帰ろうとしたあなた。ちょっと最後まで話を聞いて欲しい。

このゲームで、やがて人類は思い知らされる。(壮大感)

人間同士で争っていたのも、余裕あってのことだと。後半ステージで高難易度にさらされると、とにかく誰か一人でも生き残り、クリアを目指すゲームとなるのだ。

画面上に誰か一人でも生き残っていればゲームは進行し、ミスした者も数秒のクールタイムを置いて復活するというシステムが、「命のバトンをつなぐゲーム」となって結実した作品なのだ。個人的には『New スーパールイージ U』が序盤から高難度&ステージが短くてオススメ。マリオ Uを持っていれば千円でダウンロードできる。

「わたしがあそこのスターコインをとって死んでくるから、キミはここで生きるんだ。」

聞き手はいつものノリノリの7歳児。

なお、彼が2、3歳の頃一緒にプレイした際には自分で十字キーをうまく操作できず、「かつぐ」アクションにてなんとかしていた。家の外では抱っこやベビーカー。ゲームの中では「かつぐ」。美しい親子愛ではないか。

スターコインに向けてルイージを投げるマリオが画面に映っていたとしても、そこには愛がある。はずだ。

 

 『レイマンレジェンド』

レイマン レジェンド

これはすごいぞ。

多人数横スクロールアクションだが、死亡時のクールタイムゼロ、残機無限、全滅時のステージ内の復帰地点がたくさん、崖へのギリギリジャンプなどはキャラクタが頑張りで登ってくれたりする。などなど様々なストレス軽減に余念がない。これが新世代の横スクロールアクションか、とも思う。

そして、そのストレス軽減にもかかわらず高難度。とにかく死ぬ。全滅もしょっちゅう。息を吸うように凶悪なギミック、初見殺しが火を噴く。「命のバトン」はあっさりと途切れる。が、ちょっと戻ったところからすぐ復活。何度でも復活。1ステージクリアするまでに何度も倒れ、倒れては復活を繰り返していくと不思議な高揚感がある。弱きものは倒れ、強きものもまた倒れる。しかし倒れながら見たものは忘れない。ゴールにたどり着いたものが自分であったかどうかもわからなくなるが、達成感だけは確かにある。

あと、「かつぐ」がない。「かつぐ」からの人類の解放。素晴らしい素晴らしい。

 

このゲームの、音楽にノッてプレイするステージなどはとても面白いと思うのだが、どなたかこんなゲームが他にあったら教えてください。(いきなり敬語)

 https://youtu.be/7m5YQrucis8

 

リズムに乗るということを、文脈的な意味を持たせて映像で見せることができた傑作だと思っています。

レイマン音ゲーではないので、「音を奏でる」という発想から離れることができたのが勝因かな、と。スマホゲーでこんなのが出たら「今までのマリオなんかよりむしろいいジャン! Huu!」とか言われかねないくらいです。(表現には筆者の偏見が含まれます。)

 

その他にもミニゲームのカンフーサッカー(プレイしているうちに立ち上がって画面に近づいてしまうくらいエキサイトする。名前から判断できるように、まっとうなサッカーではありません。が、まっとうでないことがなんの障害になるのでしょうか。) など、楽しくて仕方ないこのゲーム。

最高です。

 

スーパーマリオ3Dワールド

スーパーマリオ 3Dワールド

3Dマリオについては、3DSの『スーパーマリオ3Dランド』 が3Dなのに2Dのノリで遊べる!と素晴らしいゲームだったのですが、それを多人数で楽しめます。奥行きに関して、3DS立体視の恩恵がないため目測を誤ることも多いですが、そこは例によって「命のバトン」によって、ちから技で解決していけます。素晴らしい。思うに、ミスを許さない社会と、ミスをあらかじめ織り込んだ世界では、どちらが快適で人間に優しいかという社会デザインのお話だと思います。あと、アイテムをくれるキノピオを意味なく踏めたり、とにかくプレイヤーの悪ふざけを許してくれるのも本当に嬉しい。多分、なんか社会デザインですよ。よくわかってないまま言いましたが。社会デザインだと思います。

 また、マリオカートを意識したステージなど、旧来のファンへのサービスも忘れていません。接待を受けたら、思った以上にいい店に連れてってもらって、いやーこんないいものをしかも懐かしくて好きなやつだ。‥‥いいんですか? という気持ちのようだと言えば、伝わる方もいらっしゃるでしょうか。(わたしはいわゆる接待を受けたことはないのですが)